【冬の季語=三冬(11月〜1月)】咳
「せき」と二音で読むこともあれば、「しわぶき」と四音で読むこともある。
また、「咳く」と動詞で使われることもあり、「せく」「しわぶく」と音数に従って読み分ける。
免疫が落ちやすい冬には、感染防止のためには「マスク」の着用も推奨される。
【咳(上五)】
咳の子のなぞなぞあそびきりもなや 中村汀女
咳をして言ひ途切れたるままのこと 細見綾子
火の咳を吐き水の咳溜めて反る 林田紀音夫
太き咳して幼年は少年に 相子智恵
【咳(中七)】
妻の留守ひとりの咳をしつくしぬ 日野草城
ジャズの中咳を落してわが過ぎぬ 石田波郷
トランシーバーまづ咳を伝えけり 石原ユキオ
【咳(下五)】
接吻もて映画は閉ぢぬ咳満ち満つ 石田波郷
そこここに虚子嫌ひゐて咳払ひ 鷹羽狩行
【ほかの季語と】
軽き咳して夏葱の刻を過ぐ 飯島晴子