【秋の季語】震災忌

【秋の季語=初秋(9月)】震災忌

9月1日は「防災の日」であるが、1923年に関東大震災が起こったことにちなむ。

その後も1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災が甚大な被害をもたらしたが、関東大震災は、死者・行方不明者が推定10万5,000人であり、明治以降の日本の地震被害としては最大規模の被害となっている。

俳句では富田木歩(1897〜1923年)が墨堤でその犠牲となったことが知られている。歩行不能、肺結核、貧困、無学歴の四重苦に耐えて句作に励み、「大正俳壇の啄木」と言われ将来を嘱望されていた俳人であった。享年26歳。

俳句では、阪神淡路大震災および東日本大震災が起こる前より、「震災忌」は季語として認知されていたため、いまも初秋の季語とされている。


【震災忌(上五)】
震災忌路地を鼠の走りけり 鈴木真砂女

【震災忌(中七)】

【震災忌(下五)】
われ病みて国敗れたる震災忌 京極杞陽
万巻の書のひそかなり震災忌 中村草田男
引出しを引けば軋みて震災忌 鷹羽狩行
図書館の鍵ひそと開け震災忌 嶋田麻紀
顔を見て出席を取る震災忌 寺澤始


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