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空へゆく階段のなし稲の花 田中裕明【季語=稲の花(秋)】
2024.08.27
泣き止めばいつもの葡萄ではないか 古勝敦子【季語=葡萄(秋)】
2024.08.22
まひるまの秋刀魚の長く焼かれあり 波多野爽波【季語=秋刀魚(秋)】
2024.08.20
夏山に噂の恐き二人かな 倉田紘文【季語=夏山(夏)】
2024.08.19
えんえんと僕の素性の八月へ 平田修【季語=八月(秋)】
2024.08.18
すこし待ってやはりさっきの花火で最後 神野紗希【季語=花火(夏)】
2024.08.15
ふくらかに桔梗のような子が欲しや 五十嵐浜藻【季語=桔梗(秋)】
2024.08.14
秋の蚊を打ち腹巻の銭を出す 大西晶子【季語=秋の蚊(秋)】
2024.08.13
東京の空の明るき星祭 森瑞穂【季語=星祭(秋)】
2024.08.10
僕のほかに腐るものなく西日の部屋 福田若之【季語=西日(夏)】
2024.08.08
泉の底に一本の匙夏了る 飯島晴子【季語=夏了る(夏)】
2024.08.07
ねむりても旅の花火の胸にひらく 大野林火【季語=花火(夏)】
2024.08.03
巴里祭わが巴里の日も遠ざかる 能村登四郎【季語=巴里祭(夏)】
2024.08.02
松本清張のやうな口して黒き鯛 大木あまり【季語=黒鯛(夏)】
2024.07.30
口笛を吹いて晩夏の雲を呼ぶ 乾佐伎【季語=晩夏(夏)】
2024.07.27
マンゴー売るペットの鸚鵡肩に止め 服部郁史【季語=マンゴー(夏)】
2024.07.26
向日葵の闇近く居る水死人 冬野虹【季語=向日葵(夏)】
2024.07.25
宵山の装ひ解かず抱かれけり 角川春樹【季語=宵山(夏)】
2024.07.22
黒繻子にジャズのきこゆる花火かな 小津夜景 【季語=花火(夏/秋)】
2024.07.17
夏つばめ気流の冠をください 川田由美子 【季語=夏燕(夏)】
2024.07.11
少年の雨の匂ひやかぶと虫 石寒太【季語=かぶと虫(夏)】
2024.06.29
汗の女体に岩手山塊殺到す 加藤楸邨【季語=汗(夏)】
2024.06.27
金魚大鱗夕焼の空の如きあり 松本たかし【季語=金魚(夏)】
2024.06.26
あひふれしさみだれ傘の重かりし 中村汀女【季語=五月雨(夏)】
2024.06.24
頭を垂れて汗の男ら堂に満つ 高山れおな【季語=汗(夏)】
2024.06.14
街の縮図が薔薇挿すコップの面にあり 原子公平 【季語=薔薇(夏)】
2024.06.13
留守の家の金魚に部屋の灯を残し 稲畑汀子【季語=金魚(夏)】
2024.06.09
子燕のこぼれむばかりこぼれざる 小澤實【季語=子燕(夏)】
2024.06.07
赤んぼころがり昼寝の漁婦に試射砲音 古沢太穂【季語=昼寝(夏)】
2024.06.06
早乙女のもどりは眼鏡掛けてをり 鎌田恭輔【季語=早乙女(夏)】
2024.06.04
性あらき郡上の鮎を釣り上げて 飴山實【季語=鮎(夏)】
2024.06.02
万緑やご飯のあとのまたご飯 宮本佳世乃【季語=万緑(夏)】
2024.05.29
蛇を知らぬ天才とゐて風の中 鈴木六林男【季語=蛇(夏)】
2024.05.26
しろがねの盆の無限に夏館 小山玄紀【季語=夏館(夏)】
2024.05.25
夕餉まで少し間のあり額の花 片山由美子【季語=額の花(夏)】
2024.05.24
ラベンダー添へたる妻の置手紙 内堀いっぽ【季語=ラベンダー(夏)】
2024.05.23
夜の子の明日の水着を着てあるく 森賀まり【季語=水着(夏)】
2024.05.21
妻となる人五月の波に近づきぬ 田島健一【季語=五月(夏)】
2024.05.20
白馬の白き睫毛や霧深し 小澤青柚子【季語=霧(秋)】
2024.05.20
泉に手浸し言葉の湧くを待つ 大串章【季語=泉(夏)】
2024.05.18
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