ハイクノミカタ

ごーやーちゃんぷるーときどき人が泣く 池田澄子【季語=ゴーヤー(夏)】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: eye-2horikiri--1024x538.png

ごーやーちゃんぷるーときどき人が泣く 

池田澄子


ゴーヤー(茘枝)は秋の季語だが、大胆に、しかもひらがなで、「ごーやーちゃんぷるー」と打ち出した句はめずらしい。しかし、「ときどき人が泣く」とは、いったいどんな状況だろう? 「人は泣く」ではなく「人が泣く」だから、一般的な人間のことを言っているのではないのだ。しかし調理のためにワタをくり抜かれ、どこか虚になってしまったゴーヤの姿は、満たされない人間の心情とどこかしら響きあっている。『此処』(2020)所収。(堀切克洋)



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 秋蝶のちひさき脳をつまみけり 家藤正人【季語=秋蝶(秋)】
  2. 南天のはやくもつけし実のあまた 中川宋淵【季語=南天の実(冬)】…
  3. 猫じゃらし全部さわって二年生 小川弘子【季語=猫じゃらし(秋)】…
  4. 手に負へぬ萩の乱れとなりしかな 安住敦【季語=萩(秋)】
  5. 人はみななにかにはげみ初桜 深見けん二【季語=初桜(春)】
  6. 冬深し柱の中の波の音 長谷川櫂【季語=冬深し(冬)】
  7. 農薬の粉溶け残る大西日 井上さち【季語=大西日(夏)】
  8. わが畑もおそろかならず麦は穂に 篠田悌二郎【季語=麦の穂(夏)】…

あなたへのおすすめ記事

連載記事一覧

PAGE TOP