【新年の季語】双六

新年の季語(1月)】双六

正月の室内遊戯の一つで、賽子を2つ振り、出た目で駒を進めてゴールを競うゲーム。

2つ(=双つ)の賽子が「六」を出すのが一番大きな数あるため、「双方が六になる」という意味で「双六」という字が当てられたとのこと。

双六は、世界中で昔から存在しており、「盤双六」と 「絵双六」の2タイプにわかれる。

前者のことは、バックギャモンと呼ぶことが現在では一般的である。日本最古の盤双六の記録は、1474年の「山科言国」の日記に書かれたもの。

江戸時代からは「絵双六」が流行し、運試し的な要素から、正月の遊びとなっていった。明治以降も新風物や風俗を取り入れながら、さまざまな双六が誕生しており、加藤 康子・松村 倫子『幕末・明治の絵双六』などに詳しい。


【双六(上五)】
双六の賽振り奥の細道へ 水原秋櫻子
双六の母に客来てばかりをり 加藤楸邨
双六に気のなき賽を父振りし 森澄雄
双六の振出しのまづ花ざかり 後藤比奈夫
双六の山河畳んでありしかな 大石悦子
双六のはじめアンパンマン家族 石寒太
双六の三島に三日居続ける 伊藤伊那男
双六をあがりたる手で猫掴む 大石雄鬼
絵双六上がりの京にたたみ皺  五十嵐京子

【双六(中七)】
一振りで越ゆ双六の箱根山 大石悦子
幸せになる双六の中の人 生駒大祐

【双六(下五)】
負け役の父呼びに来る絵双六 鷹羽狩行
火星より土星へ飛びぬ絵双六 宇志やまと
たどりつくところが未来絵双六 津川絵理子
見えてゐて京都が遠し絵双六 西村麒麟


関連記事