
【夏の季語=晩夏(7-8月)】晩夏光
夏の終わり、すなわち「晩夏」のころに差し込む光。暑さのなかにも翳りが感じられる。
中村草田男の〈晩夏光バットの函に詩を誌す〉という句が有名。

【晩夏光(上五)】
晩夏光老の一文字書いては消し 三橋鷹女
晩夏光刃物そこらにある怖れ 大野林火
晩夏光鳶は遠くへ行かぬ鳥 小池康生
晩夏光ダイバーズウォッチから雫 天野小石
【晩夏光(中七)】
錯乱の母晩夏光よりも濃く 佐藤鬼房
【晩夏光(下五)】
ダンプカー揃ひ事故無し晩夏光 阿波野青畝
塵芥ばかりの浜の晩夏光 清崎敏郎
大いなる林に入りぬ晩夏光 村山故郷
廃校の硝子こなごな 晩夏光 伊丹三樹彦
嘘つかぬといふ嘘のあり晩夏光 関根かな
白樺の幹の湿りよ晩夏光 松本てふこ
スワッグをがさりと吊し晩夏光 藤井あかり
いのちなき鶏卵茹でる晩夏光 生駒大祐
進むからこぐのをやめて晩夏光 田中木江
少年になりたき少女晩夏光 羽田美帆