連載・よみもの

「野崎海芋のたべる歳時記」プレ・バスケーズ


プレ・バスケーズ(バスク風チキン)

Poulet basquaise


今が旬のピーマンやパプリカ、唐辛子の仲間です。
赤・黄・緑のパプリカをたっぷり使ったプレ・バスケーズ(バスク風チキンの煮込み)。
バスク地方は、大西洋岸のスペイン国境にまたがる地域。昔から美食の地として知られています。エスペレットという品種の唐辛子が名産で、このエスペレットを使うのが本来のプレ・バスケーズなのだそう。

写真のひと皿は、パリ風にアレンジされた辛味の少ないレシピ。パリの人はどうも、辛いものに弱いようなのですよね。バスクのエスペレット唐辛子も、日本の唐辛子に比べれば辛味はずっとマイルドなのですが。私は代わりに万願寺唐辛子やししとうを使ったりもしています。
本来は骨つきのぶつ切り鶏を使う料理ですが、今回は平らに伸ばした鶏もも肉に生ハムを巻き込んで。バスク地方は、ジャンボン・バイヨンヌと呼ばれる生ハムの産地でもあるのです。

今週末にはもう立秋。夏が終わってゆきますね。

晩夏なり終りは迅き砂時計  和田 尚

季語【晩夏】【唐辛子】【ピーマン】

*本記事は野崎海芋さんのInstagram( @kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。


【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき・かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 神保町に銀漢亭があったころ【第61回】松野苑子
  2. コンゲツノハイクを読む【2021年7月分】
  3. 【#42】愛媛新聞の連載エッセイ「四季録」で学んだ実感
  4. 「野崎海芋のたべる歳時記」蒸し鶏の胡麻酢和え
  5. 「パリ子育て俳句さんぽ」【12月4日配信分】
  6. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2022年6月分】
  7. 【連載】もしあの俳人が歌人だったら Session#12
  8. 【#34】レッド・ツェッペリンとエミール・ゾラの小説

おすすめ記事

  1. 【春の季語】建国記念の日/建国記念日 建国の日 紀元節
  2. 【連載】歳時記のトリセツ(7)/大石雄鬼さん
  3. 【春の季語】鰊
  4. 蟷螂にコップ被せて閉じ込むる 藤田哲史【季語=蟷螂(秋)】
  5. 初燈明背にあかつきの雪の音 髙橋千草【季語=初燈明(新年)】 
  6. 颱風の去つて玄界灘の月 中村吉右衛門【季語=颱風・月(秋)】
  7. 【夏の季語】夜の秋
  8. 【書評】小島健 第4句集『山河健在』(角川書店、2020年)
  9. 嗚呼これは温室独特の匂ひ 田口武【季語=温室(冬)】
  10. 【連載】もしあの俳人が歌人だったら Session#17

Pickup記事

  1. 【#38】山口誓子「汽罐車」連作の学術研究とモンタージュ映画
  2. 神保町に銀漢亭があったころ【第36回】内村恭子
  3. 【春の季語】春野
  4. 【クラファン目標達成記念!】神保町に銀漢亭があったころリターンズ【8】/金井硯児(「銀漢」同人)
  5. 野崎海芋の「たべる歳時記」 七草粥
  6. 【連載】新しい短歌をさがして【6】服部崇
  7. 【夏の季語】蜘蛛
  8. 目薬の看板の目はどちらの目 古今亭志ん生
  9. 【春の季語】葱の花
  10. 草田男やよもだ志向もところてん 村上護【季語=ところてん(夏)】
PAGE TOP