【秋の季語=三秋(8月〜10月)】猫じやらし
日本全国、道端によく生えている。
「猫じやらし」は、もともと帯の結び方の一種だったようですが、明治期に入って、この植物の異名になった。
花が子犬の尻尾に似ていることから、「狗尾草(えのころぐさ)」とも呼ばれる。
歴史的仮名遣いは「ねこじやらし」。
【猫じやらし(上五)】
猫じやらし吾が手に持てば人じやらし 山口誓子
猫じやらし水をやるのに枯れて行く 永田耕衣
猫じやらし一面に偽こころざし 宇多喜代子
猫じやらし賢治の大き国に入る 太田土男
【猫じやらし(中七)】
君が居にねこじらやしまた似つかはし 田中裕明
【猫じやらし(下五)】
くしゃみしてではさようなら猫じゃらし 多田道草
日と月のめぐり弥栄ねこじゃらし 池田澄子
東京の膝に女とねこじゃらし 坪内稔典
ばつたりと妻にあふ日のねこじやらし 山口昭男