ハイクノミカタ小山玄紀
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気が変りやすくて蕪畠にゐる 飯島晴子【季語=蕪(冬)】
気が変りやすくて蕪畠にゐる)飯島晴子 以前、内界と外界という話で掲句に言及したことがあるが、別の意味でもいかにも晴子らしい句である。それはすなわち、蕪畑の整然とした、そしてひんやりとした空間を基盤に…
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蓮根や泪を横にこぼしあひ 飯島晴子【季語=蓮根(冬)】
蓮根や泪を横にこぼしあひ)飯島晴子 『朱田』全体の景色は、…
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みどり児のゐて冬瀧の見える家 飯島晴子【季語=冬瀧(冬)】
みどり児のゐて冬瀧の見える家)飯島晴子 掲句は晴子中期とも…
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冬麗の谷人形を打ち合はせ 飯島晴子【季語=冬麗(冬)】
冬麗の谷人形を打ち合はせ)飯島晴子 木々の葉もまばらとなっ…
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小鳥来る薄き机をひからせて 飯島晴子【季語=小鳥来る(秋)】
小鳥来る薄き机をひからせて)飯島晴子 「薄き机」は机を横か…
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鹿の映れるまひるまのわが自転車旅行 飯島晴子【季語=鹿(秋)】
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鹿や鶏の切紙下げる思案かな 飯島晴子
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秋山に箸光らして人を追ふ 飯島晴子【季語=秋山(秋)】
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ここは敢て追はざる野菊皓かりき 飯島晴子【季語=野菊(秋)】
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なにはともあれの末枯眺めをり 飯島晴子【季語=末枯(秋)】
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肉声をこしらへてゐる秋の隕石 飯島晴子【季語=秋(秋)】
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けふあすは誰も死なない真葛原 飯島晴子【季語=葛の花(秋)】