ハイクノミカタ小山玄紀

  1. 家毀し瀧曼荼羅を下げておく 飯島晴子【季語=滝(夏)】

    家毀し瀧曼荼羅を下げておく)飯島晴子 この句の作られた昭和五十二年は、晴子が熊野を歩いた年でもある。大きな木造の家がこわされ、そこに曼荼羅がさがり、やがて滝になってゆくような感じがある。〈西国は大な…

  2. 卯月野にうすき枕を並べけり 飯島晴子【季語=卯月(夏)】

    卯月野にうすき枕を並べけり)飯島晴子 おおむね平らだが、枕…

  3. 筍にくらき畳の敷かれあり 飯島晴子【季語=筍(夏)】

    筍にくらき畳の敷かれあり)飯島晴子 本意にどっぷり浸かりな…

  4. 口中のくらきおもひの更衣 飯島晴子【季語=更衣(夏)】

    口中のくらきおもひの更衣)飯島晴子 掲句の「更衣」は、綿入…

  5. 日光に底力つく桐の花 飯島晴子【季語=桐の花(夏)】

    日光に底力つく桐の花)飯島晴子 「底力」という言葉の広さが…

  6. 気を強く春の円座に坐つてゐる 飯島晴子【季語=春(春)】

  7. 遅れて着く花粉まみれの人喰沼 飯島晴子【無季】

  8. 人とゆく野にうぐひすの貌強き 飯島晴子【季語=鶯(春)】

  9. やつと大きい茶籠といつしよに眠らされ 飯島晴子【無季】

  10. 幼子の手の腥き春の空 飯島晴子【季語=春の空(春)】

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