ハイクノミカタ安里琉太

  1. 仲秋の金蠅にしてパッと散る 波多野爽波【季語=仲秋(秋)】

    仲秋の金蠅にしてパッと散る波多野爽波「パッ」のオノマトペが視覚的にも読者を得心させる。それがこの句の眼目であると思う。「ぱつ」ではなく片仮名で「パッ」と表記されている点、それに関連して「金蠅」の「金…

  2. つきの光に花梨が青く垂れてゐる。ずるいなあ先に時が満ちてて 岡井隆

    つきの光に花梨が青く垂れてゐる。ずるいなあ 先に時が満ちてて岡井隆…

  3. ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき 安井浩司【季語=すすき(秋)】

    ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき安井浩司小屋はバラックのよ…

  4. ある年の子規忌の雨に虚子が立つ 岸本尚毅【季語=子規忌(秋)】

    ある年の子規忌の雨に虚子が立つ岸本尚毅虚子の心中を慮る句で…

  5. ときじくのいかづち鳴つて冷やかに 岸本尚毅【季語=冷やか(秋)】

    ときじくのいかづち鳴つて冷やかに岸本尚毅「ときじく」は、「…

  6. 季すぎし西瓜を音もなく食へり 能村登四郎【季語=西瓜(秋)】

  7. みづうみに鰲を釣るゆめ秋昼寝 森澄雄【季語=鯊・秋昼寝(秋)】

  8. 八月は常なる月ぞ耐へしのべ 八田木枯【季語=八月(秋)】

  9. まはし見る岐阜提灯の山と川 岸本尚毅【季語=岐阜提灯(夏)】

  10. 八月の灼ける巌を見上ぐれば絶倫といふ明るき寂寥 前登志夫【季語=夏山(夏)】

  11. 夏山に勅封の大扉あり 宇佐美魚目【季語=夏山(夏)】

  12. からたちの花のほそみち金魚売 後藤夜半【季語=金魚売(夏)】

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