写真とコトノハ展@銀漢亭
倉田有希(「写真とコトノハ展」代表)
銀漢亭を初めて訪れたのは平成25年の夏だった。
伊那男主宰に写真と俳句の展示のことをお話しすると快く承諾して下さり、11月の開催が決まった。銀漢亭の壁を使った、俳人によるグループ展である。このときの「写真とコトノハ展Vol.7」初日は銀漢亭のお客さんだけでなく、旧知の俳人たちの来店もあり大いに賑わった。
写真と俳句のコラボレーションは、「写俳」「写真俳句」「フォト俳句」と様々な呼称があり、写真があって句を合わせたものを「先写後俳」、俳句が先でそれに写真は「先俳後写」と言う。俳画と共通するものがある。
銀漢亭での「写真とコトノハ展」はその後、様々な結社や同人の俳人も参加するようになり多いときは25名。展示経験のない人もいて、俳句と写真を提出してもらい、それをこちらでレイアウトの編集、プリント、パネルにしたものをお店の壁面に展示した。
昨年がVol.13で、銀漢亭での開催は六回になる。会期中に展示メンバーでの懇親会も恒例となり、銀漢亭の料理を楽しみながら歓談したのは良い思い出である。
アルコールは苦手なので、銀漢亭へ行くとシークヮーサーの炭酸割を飲んだ。たまに訪れる度に誰かしら知り合いも居り、伊那男主宰の話を聞くのも楽しみだった。
会社勤めの頃は近所にお住まいだったことがあるそうで、その頃の話も伺った。「銀漢」が鍛錬合宿に行く御岳山は、たまに出かける場所なので、これまた馴染みの場所である。御岳山の話になったことがきっかけで、お店の本棚にあった浅田次郎の『神坐す山の物語』をお借りして読んだ。宮澤正明氏が監督の「うみやまあひだ」のことは銀漢亭で知って、二子玉川の映画館で観た。
いつ頃からか、銀漢亭で開催される「Oh!句会」にも時々参加するようになった。賞品で頂いた直筆の句の葉書は、いまも自室に貼ってある。
【執筆者プロフィール】
倉田有希(くらた・ゆうき)
1963年生。「里」を経て現在は「鏡」同人、「写真とコトノハ展」代表。