夏の季語

【夏の季語】酢漿の花

【夏の季語=三夏(5月〜7月)】酢漿の花

難読字ではあるが、夏になると路傍で見かける「カタバミ」である。夜に葉が閉じて、半分になったように見えることがその名の由来とされる。漢字表記には、「片喰」「傍食」なども用いられるが、歳時記では「酢漿」が一般的。ただし、ひらがなで書かれることも多い。

カタバミの花期は5~10月。

クローバーにも似た、ハート形の葉が特徴的。花の色は黄色であるが、紫色やピンク色の花を付けるものもある。以下の画像は、ムラサキカタバミ。


【酢漿の花(上五)】
かたばみの花より淋し住みわかれ 三橋鷹女
かたばみを見てゐる耳のうつくしさ 横山白虹
かたばみに雨ぴちぴちと雀の子 矢島渚男
かたばみを掃きいぢめたる箒かな 辻桃子

【酢漿の花(中七)】

【酢漿の花(下五)】
川清水わが紋どころ酢漿草咲く 中村草田男

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【春の季語】素魚
  2. 【春の季語】黄水仙
  3. 【春の季語】木の根明く
  4. 【冬の季語】冴ゆ・冴え
  5. 【新年の季語】二日
  6. 【秋の季語】葛の花
  7. 【春の季語】花
  8. 【夏の季語】梅雨明

おすすめ記事

  1. 【秋の季語】檸檬
  2. 【書評】中原道夫 第13句集『彷徨』(ふらんす堂、2019年)
  3. 「パリ子育て俳句さんぽ」【6月4日配信分】
  4. 神保町に銀漢亭があったころ【第12回】佐怒賀正美
  5. おとつさんこんなに花がちつてるよ 正岡子規【季語=花散る(春)】
  6. 人とゆく野にうぐひすの貌強き 飯島晴子【季語=鶯(春)】
  7. 暖房や絵本の熊は家に住み 川島葵【季語=暖房(冬)】
  8. 行く春や鳥啼き魚の目は泪 芭蕉【季語=行く春(春)】
  9. 泥棒の恋や月より吊る洋燈 大屋達治【季語=月(秋)】
  10. 【冬の季語】忘年

Pickup記事

  1. 【書評】鷲巣正徳 句集『ダヴィンチの翼』(私家版、2019年)
  2. 【冬の季語】待春
  3. 稲妻となつてお前を喜ばさう 竹岡一郎【季語=稲妻(秋)】
  4. 人の世に雪降る音の加はりし 伊藤玉枝【季語=雪(冬)】
  5. 肩につく影こそばゆし浜日傘 仙田洋子【季語=浜日傘(夏)】
  6. あたゝかき十一月もすみにけり 中村草田男【季語=十一月(冬)】
  7. 【秋の季語】霧
  8. 冬深し柱の中の波の音 長谷川櫂【季語=冬深し(冬)】
  9. 【#39】炎暑の猫たち
  10. 「パリ子育て俳句さんぽ」【9月11日スタート】
PAGE TOP