扇風機(せんぷうき)とは、回転する羽根によって風を発生させて涼感を得る機器。
日本ではゼネラル・エレクトリック(GE)の技術で芝浦製作所(東芝の前身)が1894年(明治27年)に発売したものが最初のもの。
近年はハンディタイプの小さなものもあるし、ダイソンのような「羽のない」扇風機もある。
クーラーに比べて電気料金が比べて安く、部屋に快適な風の通り道をつくり体感温度を下げることができる。
【扇風機(上五)】
扇風機大き翼をやすめたり 山口誓子
扇風機むなしき卓を吹き払ふ 日野草城
扇風機山かたむきて河蒼む 飯田龍太
扇風機ジヤズの楽器のいまやすむ 百合山羽公
扇風機ひとつの風に生者死者 今瀬剛一
扇風機どこかの鈴木から電話 福田若之
扇風機表紙の海のひらひらす 安里琉太
【扇風機(中七)】
戦経て扇風機の絵売れにけり 宇佐美魚目
【扇風機(下五)】
ひとり居のわれに首振り扇風機 細川加賀
駄菓子屋の奥見えてゐる扇風機 斎藤夏風
四五日は位置のきまらず扇風機 鷹羽狩行
大寺の首の回らぬ扇風機 鷹羽狩行
正座して胸の高さや扇風機 蜂谷一人
羽根のなき千夜一夜の扇風機 嵯峨根鈴子
眠い沼を汽車とほりたる扇風機 岡田一実
海の底見てきた夜の扇風機 小林かんな
父といっしょがよかったころの扇風機 福田若之