たり

  1. 白魚のさかなたること略しけり 中原道夫【季語=白魚(春)】

    白魚のさかなたること略しけり中原道夫鮮やかなウィットである。白魚の、あの白い肌をじっくり思い浮かべてみてみれば、鱗はもちろん鰭や鰓も思い当たらず、確かに魚らしい特徴はことごとく略されているように思わ…

  2. 鎌倉を驚かしたる余寒あり 高濱虚子【季語=余寒(春)】

    鎌倉を驚かしたる余寒あり高濱虚子やはり地名の効きがよい。南…

  3. 傾けば傾くまゝに進む橇     岡田耿陽【季語=橇(冬)】

    傾けば傾くまゝに進む橇岡田耿陽安田蚊杖(おかだ・こうよう))…

  4. 橇にゐる母のざらざらしてきたる 宮本佳世乃【季語=橇(冬)】

    橇にゐる母のざらざらしてきたる)宮本佳世乃『三〇一号室』2019年12月…

  5. 風邪ごもりかくし置きたる写真見る     安田蚊杖【季語=風邪籠(冬)】

    風邪ごもりかくし置きたる写真見る安田蚊杖安田蚊杖(やすだ・ぶんじょう))…

  6. 老僧の忘れかけたる茸の城 小林衹郊【季語=茸(秋)】

  7. 淋しさに鹿も起ちたる馬酔木かな      山本梅史【季語=鹿(秋)】

  8. はしりすぎとまりすぎたる蜥蜴かな    京極杞陽【季語=蜥蜴(夏)】

  9. まどごしに與へ去りたる螢かな 久保より江【季語=蛍(夏)】

  10. 名ばかりの垣雲雀野を隔てたり 橋閒石【季語=雲雀野(春)】

  11. 夕空や日のあたりたる凧一つ 高野素十【季語=凧(春)】

  12. 鳥の恋漣の生れ続けたる 中田尚子【季語=鳥の恋(春)】

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  4. 恋さめた猫よ物書くまで墨すり溜めし 河東碧梧桐【季語=恋猫(春)】
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