たり
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白魚のさかなたること略しけり 中原道夫【季語=白魚(春)】
白魚のさかなたること略しけり中原道夫鮮やかなウィットである。白魚の、あの白い肌をじっくり思い浮かべてみてみれば、鱗はもちろん鰭や鰓も思い当たらず、確かに魚らしい特徴はことごとく略されているように思わ…
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鎌倉を驚かしたる余寒あり 高濱虚子【季語=余寒(春)】
鎌倉を驚かしたる余寒あり高濱虚子やはり地名の効きがよい。南…
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傾けば傾くまゝに進む橇 岡田耿陽【季語=橇(冬)】
傾けば傾くまゝに進む橇岡田耿陽安田蚊杖(おかだ・こうよう))…
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橇にゐる母のざらざらしてきたる 宮本佳世乃【季語=橇(冬)】
橇にゐる母のざらざらしてきたる)宮本佳世乃『三〇一号室』2019年12月…
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風邪ごもりかくし置きたる写真見る 安田蚊杖【季語=風邪籠(冬)】
風邪ごもりかくし置きたる写真見る安田蚊杖安田蚊杖(やすだ・ぶんじょう))…
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老僧の忘れかけたる茸の城 小林衹郊【季語=茸(秋)】
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淋しさに鹿も起ちたる馬酔木かな 山本梅史【季語=鹿(秋)】
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はしりすぎとまりすぎたる蜥蜴かな 京極杞陽【季語=蜥蜴(夏)】
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まどごしに與へ去りたる螢かな 久保より江【季語=蛍(夏)】
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名ばかりの垣雲雀野を隔てたり 橋閒石【季語=雲雀野(春)】
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夕空や日のあたりたる凧一つ 高野素十【季語=凧(春)】
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鳥の恋漣の生れ続けたる 中田尚子【季語=鳥の恋(春)】