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ひきだしに海を映さぬサングラス 神野紗希【季語=サングラス(夏)】

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ひきだしに海を映さぬサングラス

神野紗希


これから海に「行く」というよりは、「行かない」あるいは「行けない」のだろう。いやいや、「行ける」とか、「行けない」とかいう問題ではなく、このサングラスが映さないのは「あの日の海」なのである。たとえば、大切なだれかと浜辺を歩いていたときに見た、あのときの海。それはきっと若かりしころの甘酸っぱい思い出となってしまって、もうサングラスには映らない。『光まみれの蜂』(2012)所収。(堀切克洋)



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