【春の季語=晩春(4月)】甘茶
4月8日はお釈迦様のお誕生日であり、「花まつり」が各地でひらかれる。
境内に「花御堂」をしつらえ、花々でお寺やお堂を飾りつけ、お釈迦さまの像(=「甘茶仏」)に甘露の香水を表現した「甘茶」をかける風習がある。また実際に「甘茶」がふるまわれることもある。
なお、夏の季語である植物の「甘茶」とは漢字も同じであるため、文脈から見極めるほかはない。
【甘茶(上五)】
甘茶仏今度は後ろからもかけ 西村麒麟
【甘茶(中七)】
雨風に甘茶の杓の廻りをり 波多野爽波
かわきゐるみ手に甘茶をそゝぎけり 国弘賢治
嬉しくもなき甘茶仏見てゐたり 田中裕明
【甘茶(下五)】
花浴びの音うれしさよ甘茶仏 安里琉太