白シャツに警官役がのしかかる 今井聖【季語=白シャツ(夏)】


白シャツに警官役がのしかかる
今井聖

学校の避難訓練では、地震はもちろんのこと、引き渡し訓練(保護者の方に迎えに来てもらう)や火事、不審者対応訓練というものがあります。不審者対応訓練では、実際に警察の方に来てもらい、不審者の役をやってもらったことがあります。その後簡単な講演をお願いしたり、刺股(さすまた)の使い方を教えてもらったりしたこともあります。

学校によって、訓練方法にも多少の違いがあります。教員が不審者役をやったり、刺股を持って現場に駆けつけたりします。不審者が校内に侵入した際には、合言葉的な放送が流れます。「(小学校なのに)サッカー部の先生方は、至急◯◯に集まってください。」これが流れると、担任の先生は子どもを教室の出入口から遠ざけ、内側から鍵をかけ、出入口に机や椅子を固めて置き、静かにさせます。

以前勤めていた学校の放送は、「玄関に大きな荷物が届きました」でした。不審者が聞いたら「俺は大きな荷物なのか?」と思われないか心配になってきました。感情を逆なでしているような気がしましたが、当時はまだ若手だったので、特に疑問もなく対応していました。

今井先生の句は、決して学校現場の景ではないと思いますが、ついつい結びつけて考えてしまいました。

前田拓


【執筆者プロフィール】
前田 拓(まえだ・たく)
昭和63年生まれ、北海道函館市出身。令和元年「炎環」入会、令和三年炎環新人賞、令和八年星野立子新人賞。現在、「炎環」同人、俳人協会会員。



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