【冬の季語】鷹

【冬の季語=三冬(11月-1月)】鷹


タカ科に分類される鳥のうち、大型(=「鷲」)ではないものを指す。鋭い嘴と爪をもつ。
「鷹狩」は、世界的にも貴族的な娯楽ないしは権威の象徴であったが、日本でも古墳時代の埴輪に、手に鷹を乗せたものが存在することや、日本書紀の仁徳天皇の時代(355年)に鷹狩が行われ多くの雉を捕ったとあることから、古い歴史をもっている。鷹狩は文学の題材ともなり、『伊勢物語』、『源氏物語』、『今昔物語』等に鷹狩にまつわるエピソードが残っている。
「鷹渡る」は、秋に日本で繁殖した夏鳥や北方から渡ってくる冬鳥が、越冬のために移動する現象であり、秋(三秋)の季語。
「鷹化して鳩と為る」は、七十二候のひとつ「鷹化為鳩」に由来する春の季語。


【鷹(上五)】
鷹の目の佇む人に向はざる 高浜虚子
鷹のつらきびしく老いて哀れなり 村上鬼城
鷹の羽を拾ひて待てば風集ふ 山口誓子
鷹の羽ひろへり砂丘はれわたり 横山白虹
海の鷹・襁褓換えられしずかな瞳 鈴木六林男
日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ 寺田京子
鷹の胸吹かれ直下に海岸線 本間愛子
かの鷹に風と名づけて飼ひ殺す 正木ゆう子
鷹とゐて眉毛の伸びる時間あり 中嶋憲武

【鷹(中七)】
わが骨を見てゐる鷹と思ひけり 秋元不死男
塔を攀じ見知らぬ鷹を抱くごとし 澁谷道
未だ逢わざるわが鷹の余命かな 池田澄子

【鷹(下五)】
虚空にてかすかに鳴りし鷹の 桂信子
天山の夕空も見ず鷹老いぬ 藤田湘子
こめかみに力を入れて鷹を待つ 遠山陽子


関連記事