【春の季語】雛祭

【春の季語=仲春(3月)】雛祭(雛まつり)

3月3日の節句(上巳の節句、桃の節句)に行われる年中行事である。江戸時代までは和暦(太陰太陽暦)の3月3日(現在の4月頃)、つまり「桃の花」が咲くころに行われていた。明治の改暦以後はグレゴリオ暦(新暦)の3月3日に行うことが一般的にになっている。

幼い女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事であり、「雛人形」(「男雛」と「女雛」を中心とする人形)に「」や「桃の花」など木々の飾り、「雛あられ」や「菱餅」などを供え、「白酒」やちらし寿司などの飲食を楽しむ節句祭りである。

「雛祭り」と「り」を送ることもある。


【雛祭(上五)】
雛まつり馬臭をりをり漂ひ来 波多野爽波
雛まつり杉の迅さのくらやみ川 飯島晴子
雛祭麒麟咥へて来たるなり 川口真理
雛まつり絵巻の牛車雲を曳き 関千賀子
雛まつり妻にひとりの時間あり 井出野浩貴

【雛祭(中七)】

【雛祭(下五)】
どの橋もみな日当りて雛祭 大牧広
国分けているのは大河雛祭り 対馬康子
母の顔剃れば健やか雛祭   山西雅子
みづうみの波低からず雛祭 片山由美子
亡き娘らの真夜来て遊ぶ雛まつり 照井翠
ひとつ足りないところが無限雛祭 田島健一


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



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