【冬の季語】足袋

【冬の季語=三冬(11月〜1月)】足袋

足袋は通年で使用するが、冬の季語としては、防寒用のものをいう。俳句では、〈足袋つぐやノラともならず教師妻〉(杉田久女)がよく知られている。


江戸時代は、靴下ではなく足袋を履いていたが、それはもっぱら寒さしのぎの場合であって、庶民は病気でないかぎり冬でも裸足の生活が日常だった。足袋は贅沢な履物だったためである。現在では、靴下を履くことが多いため、季語としての「足袋」の季感はあらかた失われているが、和装の場合には、裏ネル・フリースなどの温かな足袋を履くことはままある。


【足袋(上五)】
破れ足袋やはたと夜の階のぼりゆく  石橋秀野
足袋こはぜかたく女の意地とほす 上村占魚
白足袋の熔岩原を踏み行けるかな 草間時彦
足袋履くやつひに男に幸を見ず 寺田京子
足袋ぬいでそろへて明日をたのみとす 細見綾子
どの足袋もよく擦り切れて泉下へと 中原道夫

【足袋(中七)】
いつも留守足袋を一つか二つ干し 波多野爽波
未婚一生洗ひし足袋の合掌す 寺田京子

【足袋(下五)】
湯上りの指やはらかし足袋のなか 桂信子


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