たる
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おほぞらを剝ぎ落したる夕立かな 櫛部天思【季語=夕立(夏)】
おほぞらを剝ぎ落したる夕立かな櫛部天思 会社の同僚や古くからの友人と最近夕立がないという話を立て続けにした。最高気温30℃の真夏日でも暑くてたまらないと嘆いていた頃、一般家庭に冷房は普及していなかっ…
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生れたる蝉にみどりの橡世界 田畑美穂女【季語=蝉(夏)】
生れたる蝉にみどりの橡世界田畑美穂女 先週、約4年ぶりに上…
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虹の後さづけられたる旅へ発つ 中村草田男【季語=虹(夏)】
虹の後さづけられたる旅へ発つ)中村草田男草田男は『火の島』…
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こぼれたる波止の鮊子掃き捨てる 桑田青虎【季語=鮊子(春)】
こぼれたる波止の鮊子掃き捨てる桑田青虎先週は春を告げる野菜…
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白魚のさかなたること略しけり 中原道夫【季語=白魚(春)】
白魚のさかなたること略しけり中原道夫鮮やかなウィットである…
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鎌倉を驚かしたる余寒あり 高濱虚子【季語=余寒(春)】
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老僧の忘れかけたる茸の城 小林衹郊【季語=茸(秋)】
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大利根にほどけそめたる春の雲 安東次男【季語=春の雲(春)】
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夕空や日のあたりたる凧一つ 高野素十【季語=凧(春)】
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鳥の恋漣の生れ続けたる 中田尚子【季語=鳥の恋(春)】
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見てゐたる春のともしびゆらぎけり 池内たけし【季語=春灯(春)】
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嚔して酒のあらかたこぼれたる 岸本葉子【季語=嚔(冬)】