1. 散るときのきてちる牡丹哀しまず 稲垣きくの【季語=牡丹(夏)】

    散るときのきてちる牡丹哀しまず稲垣きくの 牡丹は開ききった時が一番美しい。後は散るだけの宿命を知りつつ緻密なる花弁を大きく広げる。花弁の一枚二枚が剥がれた状態はまだ美しいが、最後は芯にしがみつく形で…

  2. 沈丁や夜でなければ逢へぬひと 五所平之助【季語=沈丁(春)】

    沈丁や夜でなければ逢へぬひと五所平之助(『五所亭俳句集』)…

  3. ひざにゐて猫涅槃図に間に合はず 有馬朗人【季語=涅槃図(春)】

    ひざにゐて猫涅槃図に間に合はず)有馬朗人) 神保町には縁が…

  4. 年玉受く何も握れぬ手でありしが 髙柳克弘【季語=年玉(新年)】

    年玉受く何も握れぬ手でありしが)髙柳克弘(『俳壇』2022年1月号))…

  5. 水底に届かぬ雪の白さかな 蜂谷一人【季語=雪(冬)】

    水底に届かぬ雪の白さかな)蜂谷(はちや)一人(はつと)(『青でなく…

  6. イエスほど痩せてはをらず薬喰 亀田虎童子【季語=薬喰(冬)】

  7. 暗闇の眼玉濡さず泳ぐなり 鈴木六林男【季語=泳ぐ(夏)】

  8. 嫁がねば長き青春青蜜柑 大橋敦子【季語=青蜜柑(秋)】

  9. 胡桃割る胡桃の中に使はぬ部屋 鷹羽狩行【季語=胡桃(秋)】

  10. わが畑もおそろかならず麦は穂に 篠田悌二郎【季語=麦の穂(夏)】

  11. 夕焼や答へぬベルを押して立つ 久保ゐの吉【季語=夕焼(夏)】

  12. 尺蠖の己れの宙を疑はず 飯島晴子【季語=尺蠖(夏)】

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