ハイクノミカタ

夏草を分けまつさをな妣の国 恩田侑布子【季語=夏草(夏)】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: eye-2horikiri--1024x538.png

夏草を分けまつさをな妣の国

恩田侑布子


折口信夫に「妣が国へ・常世へ」と題されたエッセイがある。「すさのをのみことが、青山を枯山なす迄慕ひ歎き、いなひのみことが、波の穂を踏んで渡られた「妣が国」は、われわれの祖たちの恋慕した魂のふる郷であつたのであらう」と書く折口の神話学/季節論を、恩田は間違いなく踏まえている。少し強めの風が夏草を煽りながら、歴史の古層までわたっていくようだ。『夢洗ひ』(2016)所収。(堀切克洋)



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 雪解川暮らしの裏を流れけり 太田土男【季語=雪解川(春)】
  2. この出遭ひこそクリスマスプレゼント 稲畑汀子【季語=クリスマス(…
  3. ビル、がく、ずれて、ゆくな、ん、てきれ、いき、れ なかはられいこ…
  4. 車椅子はもとより淋し十三夜 成瀬正俊【季語=十三夜(秋)】
  5. 誰もみなコーヒーが好き花曇 星野立子【季語=花曇(春)】
  6. 仲秋の金蠅にしてパッと散る 波多野爽波【季語=仲秋(秋)】
  7. 天窓に落葉を溜めて囲碁倶楽部 加倉井秋を【季語=落葉(秋)】
  8. 花の影寝まじ未来が恐しき 小林一茶【季語=花の影(春)】

あなたへのおすすめ記事

連載記事一覧

PAGE TOP