神保町に銀漢亭があったころ

【クラファン目標達成記念!】神保町に銀漢亭があったころリターンズ【19】/鈴木淳子(「銀漢」同人)


あの日…

鈴木淳子
(「銀漢」同人)


銀漢亭の思い出はいっぱいある。

ただただ、待ち合わせのお店だったのに俳句を始めるはめになってしまったお店

独りご飯の時に立ち寄るお店

とりあえずビールが呑みたい時に行くお店…

でも一番の思い出は、やはり3.11あの日の事

書かれている方もいらっしゃいますが…

あの日、叔母の家に居て地震にあった。

飼っていた老犬が気になるので帰宅を急いだが、乗ったタクシーは水道橋まで行くのがやっとだった。

(あとで考えれば水道橋で良かった)

どうしよう…そうだ銀漢亭に行けば、伊藤さんが仕込みの時間でお店にいるはず、藁をも掴む思いで、駅まで向かう殺気だった人達の列を逆走し神保町へ、

「おー、落ち着くまでお店に居な」

と快く迎え入れてくれた。

そのうちに、一平さんうさぎさん小川洋さんがいらして、食べ物はあるとの事で宴会ならぬ、ご飯会が始まり、メンバーがメンバーだけに句会が始まった。

谷口いづみさんから電話が入り、句会をやっている事を伝えると、何のんきな事しているのと叱られた。

確かに、お家で映像を見ている人にとってはお気楽に思われても当然だったろう。

でも、電車止まっているし、帰れないし、やる事ないし…ねえ…

銀漢亭はどんな時にもとりあえず句会が始まり、超結社の俳人が集まり、皆に愛されるマスターがいた店であった。

今、一番食べたいメニューは「独活のきんぴら」!


【執筆者プロフィール】
鈴木淳子(すずき・じゅんこ) 
2017年銀漢同人、俳句協会会員
1958年東京都文京区出身、在住


【神保町に銀漢亭があったころリターンズ・バックナンバー】

【18】我部敬子(「銀漢」同人)「硝子扉の中」
【17】三代川次郎(「春耕」「銀漢」「雲の峰」同人)「関西にもいた銀漢亭のファンたち」
【16】寺澤佐和子(「磁石」同人)「夢の時間」
【スピンオフ】田中泥炭「ホヤケン」【特別寄稿】
【15】上野犀行(「田」)「誰も知らない私のことも」
【14】野村茶鳥(屋根裏バル鱗kokera店主)「そこはとんでもなく煌びやかな社交場だった」
【13】久留島元(関西現代俳句協会青年部長)「麒麟さんと」
【12】飛鳥蘭(「銀漢」同人)「私と神保町ーそして銀漢亭」
【11】吉田林檎(「知音」同人)「銀漢亭なう!」
【10】辻本芙紗(「銀漢」同人)「短冊」
【9】小田島渚(「銀漢」「小熊座」同人)「いや重け吉事」
【8】金井硯児(「銀漢」同人)「心の中の書」
【7】中島凌雲(「銀漢」同人)「早仕舞い」
【6】宇志やまと(「銀漢」同人)「伊那男という名前」
【5】坂口晴子(「銀漢」同人)「大人の遊び・長崎から」
【4】津田卓(「銀漢」同人・「雛句会」幹事)「雛句会は永遠に」
【3】武田花果(「銀漢」「春耕」同人)「梶の葉句会のこと」
【2】戸矢一斗(「銀漢」同人)「「銀漢亭日録」のこと」
【1】高部務(作家)「酔いどれの受け皿だった銀漢亭」



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