【夏の季語＝晩夏（7月）】鷺草
純白の花で湿原に自生する。
白鷺が羽を広げて舞い降りるかのような形の美しい花である。花期は七・八月。
東京・世田谷区の花でもある。
すでに「鷺」という見立てが含まれている季語であるがゆえ、〈風が吹き鷺草の皆飛ぶが如 高濱虚子〉のような句が多い。
【鷺草（上五）】
鷺草の花消なむ風の夜の卓 高田蝶衣
鷺草のおくれ咲きしも翔けそろふ 水原秋櫻子
鷺草の落せし羽を拾ひけり 阿部みどり女
鷺草の飛翔全き花ひらく 篠田悌二郎
鷺草に腕をさすりて泊り客 波多野爽波
鷺草のつばさの端に我がほとけ 中島斌雄
鷺草の咲くと風生むおのづから 岸冴子
鷺草も少女も未来育ちつつ 山田弘子
【鷺草（中七）】
一年の後の鷺草待ちませう 岡田史乃
【鷺草（下五）】
