季語・歳時記

【新年の季語】雑煮

新年の季語(1月)】雑煮

正月」に食される、餅を主な具とした汁物の料理。

醤油味、味噌味、地域や家庭によってちがいがある。

年が明けて初めて台所に入ったり調理することを「初厨」「俎始」「包丁始」などとも言う。


【雑煮(上五)】
雑煮餅のまわりの空気が変である 金原まさ子
雑煮椀牛の乳房を揉みし手に 鈴木牛後
お雑煮のお餅ぬーんと伸ばし食ふ 西村麒麟

【雑煮(中七)】
雲ひとつ千切り雑煮に浮かべけり 青柳飛
それぞれに雑煮語れば庭に鳩 江渡華子
なんかえらい雑煮んなつちつたがゆるせ 佐藤文香

【雑煮(下五)】
ゆるぎなき柱の下の雑煮かな 高浜虚子
生きてこそ生きてゐてこそ雑煮食ふ 村越化石
またもとの二人となりて雑煮喰ぶ 磯田みどり
焦げ目ある餅の香の立つ雑煮かな 稲畑汀子
馴染むとは好きになること味噌雑煮 西村和子
大阪でひとつ歳とる雑煮かな 長谷川櫂
人類に空爆のある雑煮かな 関悦史
おもしろきこと何もなき雑煮かな 諏佐英莉
テレビに半裸の男ゐて雑煮 山下つばさ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【春の季語】鞦韆
  2. 【冬の季語】探梅
  3. 【夢の俳句】
  4. 【新年の季語】七日
  5. 【秋の季語】秋の風
  6. 【春の季語】ヒヤシンス
  7. 【冬の季語】ラグビー
  8. 【春の季語】鶯笛

おすすめ記事

  1. ものゝふの掟はしらず蜆汁 秦夕美【季語=蜆汁(春)】
  2. 【秋の季語】秋思
  3. 神保町に銀漢亭があったころ【第37回】朽木直
  4. 節分の鬼に金棒てふ菓子も 後藤比奈夫【季語=節分(冬)】
  5. 初旅の富士より伊吹たのもしき 西村和子【季語=初旅(新年)】
  6. 寒いねと彼は煙草に火を点ける 正木ゆう子【季語=寒い(冬)】
  7. 毛帽子をかなぐりすててのゝしれる     三木朱城【季語=毛帽子(冬)】
  8. 秋の川真白な石を拾ひけり 夏目漱石【季語=秋の川(秋)】
  9. 缶ビールあけて東京ひびきけり 渡辺一二三【季語=缶ビール(夏)】
  10. しばらくは箒目に蟻したがへり 本宮哲郎【季語=蟻(夏)】

Pickup記事

  1. まだ固き教科書めくる桜かな 黒澤麻生子【季語=桜(春)】
  2. 【春の季語】桜
  3. 天籟を猫と聞き居る夜半の冬 佐藤春夫【季語=夜半の冬(冬)】
  4. 「けふの難読俳句」【第3回】「象」
  5. 一天の玉虫光り羽子日和 清崎敏郎【季語=羽子板(新年)】
  6. 酒よろしさやゑんどうの味も好し 上村占魚【季語=豌豆(夏)】
  7. 義士の日や途方に暮れて人の中 日原傳【季語=義士の日(冬)】
  8. 来よ来よと梅の月ヶ瀬より電話 田畑美穂女【季語=梅 (春)】
  9. 【#15】秋に聴きたくなる曲
  10. マフラーを巻いてやる少し絞めてやる 柴田佐知子【季語=マフラー(冬)】
PAGE TOP