夏の季語

【夏の季語】入梅

太陽の黄径が80度に達する日。「芒種」から数えて6日め頃の最初の「壬(みずのえ)」の日にあたります。天気予報のない時代に農事暦としても使われていた旧暦では、その日を境に約30日間が「梅雨」とされ、これが「田植」の日を決める目安となっていました。

「入梅」のおわりが「出梅」。陰暦でいえば「夏至」 のあと、最初の「庚 (かのえ) 」の日。あるいは、「小暑」のあとの最初の「壬」の日ともいわれています。

歴史的仮名遣いでが「にふばい」。梅雨が終わるころは「出梅」。

「入梅」と書いて「つゆいり・ついり」と読ませることもある。


【入梅(上五)】
入梅のひま鼻とほさるゝ小牛哉 加舎白雄
入梅や蟹かけ歩く大座敷  小林一茶
入梅や墓さむげなる竹のつゆ 飯田蛇笏

【入梅(中七)】

【入梅(下五)】
島にあがる魚美しき入梅かな 大峯あきら
苔玉に白き花咲く入梅かな 山尾玉藻

【ほかの季語と】
入梅や紫かけし青紫陽花 鈴木花蓑

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