冬の季語

【冬の季語】花八手

【冬の季語=初冬〜仲冬(11月〜12月)】花八手

【解説】

初冬に咲き始める「八手の花」を俳句用に五音にまとめたもの。

表記は「花八ツ手」「花八ッ手」「花八つ手」「花八手」とやや揺れる。


【花八手(上五)】
花八手けふを花火のごとく咲け 上田五千石
花八ツ手こぼるゝことのなく白し 高浜年尾
花八つ手山を集めて日暮れたり 廣瀬直人
花八つ手鍵かけしより夜の家 友岡子郷

【花八手(中七)】

【花八手(下五)】
父を愛して話題とはせず花八手 中村草田男
水に色無きがごとくに花八つ手 吉屋信子
いつ咲いていつまでとなく花八ッ手 田畑美穂女
英会話教はる気なし花八つ手 星野麥丘人
余生こそ二人三脚花八手 水原春郞
ベル押せばすぐに応へて花八ッ手 星野椿
産院に手荒な風よ花八手 鷹羽狩行
胡麻ほどの小虫這ひたる花八手 小室登美子
板塀の似合ふ平屋や花八手 寺島ただし
水吸うて新聞あをし花八ツ手 森賀まり
ぱつとせぬ虫の来てをり花八手 小笠原黒兎
咲きそめて未知のひかりに花八手 日下野由季


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