難読俳句辞典【第13回】「馴鹿」


馴鹿となかい

レベル ★★☆☆☆

使用頻度 ☆☆☆

<ジャンル>動物、行事

<類語>なれしか、じゅんろく


【例句】
橇を止む馴鹿群るる丘見ゆと  岩田潔


そろそろ今年もクリスマス。日常では漢字で書くことのほぼない動物ですが、「馴鹿」と書いて「トナカイ」と読ませることがあります。漢語として読むなら「じゅんろく」。現代中国語の驯鹿(xùnlù)にも近いですね。人間との距離も近く、家禽化しやすいことから「馴」という字が当てられています。当然、「なれしか」と読むこともあります。

トナカイは、鹿とはちがって、雌雄共に角があるのが特徴で、寒冷な環境から身を守るため、ぶ厚い体毛をもっています。

トナカイは、日本では野生に生息していない動物ですが、この和名はアイヌ語での呼称「トゥナカイ」(tunakay) または「トゥナㇵカイ」(tunaxkay) に由来するらしく。というわけで、「馴鹿」は、漢字に外来語の読みを当てたもの。

文化的には、サンタクロースの相棒として知られています。1949年に発売された「赤鼻のトナカイ」は、1954年の中村メイコ版が本邦初のリリースでしたが、小坂一也とワゴン・マスターズ(1956年ごろ)版では「赤鼻の馴鹿(トナカイ)」というタイトルで発売されました。


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