けふの難読俳句

「けふの難読俳句」【第1回】「直会」


直会(なおらい)

レベル ★★☆☆☆

使用頻度 ★★☆☆☆

<ジャンル> 宗教(神道)

<類語> 神饌、神酒、供物など


【例句】

直会の男が捌く桜鯛    小笠原和男
直会の煮しめの匂ふ里神楽 佐川広治
直会の枝豆青く甘かりき  雨月


【解説】直会は「なおらい」と読みます。歴史的仮名遣いなら、「なほらひ」。神事終了後の宴会(打ち上げ)を指すことが一般的ですね。

もともと「直会」は、祭が終わったあとに、神前に供えた食べ物(神饌)や飲み物(御酒)を神職をはじめ、参列者の方々で戴くことをいいます。神様と飲食をシェアすること(=「神人共食」)により「神人一体」となることが目的だといえましょうか。キリスト教でいうところの「コミュニオン」です。

「なほらひ」は、猶良比(『続日本紀』)、直相(『続日本後紀』)、奈保良比・直食(『皇太神宮儀式帳』)、直会(『延喜式』)、直礼(『下学集』)など、さまざまな表記をされてきましたが、今日では「直会」が最もよく用いられています。


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 「野崎海芋のたべる歳時記」ゼブラのガトー
  2. 【#29】スマッシング・パンプキンズと1990年代
  3. 神保町に銀漢亭があったころ【第58回】守屋明俊
  4. ミャンマーを思う
  5. ゆる俳句ラジオ「鴨と尺蠖」【第15回】
  6. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第36回】銀座と今井杏太郎…
  7. 「パリ子育て俳句さんぽ」【7月2日配信分】
  8. 【#44】写真の不思議

おすすめ記事

  1. 【新年の季語】歌留多会
  2. 【結社推薦句】コンゲツノハイク【2021年10月分】
  3. 【新年の季語】繭玉
  4. 【秋の季語】秋思
  5. 【春の季語】浜下り
  6. 黄金週間屋上に鳥居ひとつ 松本てふこ【季語=黄金週間(夏)】
  7. 菜の花やはつとあかるき町はつれ 正岡子規【季語=菜の花(春)】
  8. 本州の最北端の氷旗 飯島晴子【季語=氷旗(夏)】
  9. 【春の季語】海市
  10. 【春の季語】春寒し

Pickup記事

  1. 【春の季語】鶯
  2. 初花や竹の奥より朝日かげ    川端茅舎【季語=初花(春)】
  3. 【春の季語】雛
  4. 一瞬にしてみな遺品雲の峰 櫂未知子【季語=雲の峰(夏)】 
  5. 酔うて泣きデザートを食ひ年忘 岸本尚毅【季語=年忘(冬)】
  6. ここまでは来たよとモアイ置いていく 大川博幸
  7. めぐりあひやその虹七色七代まで 中村草田男【季語=虹(夏)】
  8. 【夏の季語】泰山木の花
  9. さまざまの事おもひ出す桜かな 松尾芭蕉【季語=桜(春)】
  10. 【夏の季語】雲の峰
PAGE TOP