【夏の季語】滴り

【夏の季語=三夏(5月〜7月)】滴り

崖や巌のあいだから滲み出てくる水のこと。「夏山」などで見ると清涼感を伴う。

「滴る」と動詞として用いられることもある。

山滴る」は草木の葉が茂り、緑が滴るように見える夏の山の様子を表す夏の季語。


【滴り(上五)】
滴りの洞の仏に詣でけり 高濱虚子
滴りのあまたの音の一つ澄む 大橋櫻坡子
滴りの巖の夜空の如く濡れ 宇佐美魚目
滴りて石に還りし仏かな 黛執
滴りの玉となりつつなほ落ちず 鷹羽狩行
滴りてふたりとは始まりの数 辻美奈子

【滴り(中七)】
なき如き滴りにしてとどまらず 中田剛

【滴り(下五)】
汽車の胴霧抜けくれば滴りぬ 飴山實



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