【結社推薦句】コンゲツノハイク【2026年8月】


前月に刊行された俳句結社誌・同人誌の最新号から推薦句を送っていただき、一覧として掲出するコーナーです。毎月、募集していますので、ご協力いただける俳誌・結社があれば、このページをご覧ください。ご投稿は、こちらのフォームからお願いします。

このページの掲出句から、読者の皆さんの「推しの一句」(未来の名句となるかも)を選んでご鑑賞いただく読者参加型「コンゲツノハイクを読む」、8月20日締切。ご投稿は、こちらのフォームからお願いします。絶賛お待ちしてます。


コンゲツノハイク 2026年8月
(2026年7月刊行分)

今月の参加結社☞「秋草」「いには」「稲」「いぶき」「伊吹嶺」「円虹」「海原」「火星」「樺の芽」「麒麟」「銀化」「雲の峰」「澤」「秋麗」「青山」「台北俳句会」「鷹」「橘」「田」「天穹」「南風」「濃尾」「noi」「ふよう」「街」「雪華」


「秋草」(主宰=山口昭男)
【2010年創刊・兵庫県神戸市】
2026年8月号(通巻200号)
電報の文字は片仮名合歓の花 山口昭男 
午よりの蘂のしめりや賀茂祭 山口遼也
初夏のエクスクラメーション三つ 野名紅里
ひよめきの甘きにほひの螢かな 土井一子
ジーンズのただならぬ青さつき散る 鬼頭孝幸
心得て犬のすわれり大文字 松田晴貴
隣るひと近くてとほき夕立かな 水上ゆめ


「いには」(主宰=村上喜代子)
【2005年創刊・千葉県八千代市】
2026年8月号(通巻215号)
青梅雨や羽あるものに籠の檻 村上喜代子
介護士の背負ふ湯船や春の雷 吉岡麻琴
「ほんとに」が口癖の人万愚節 松澤健治
紫荊けふ来ぬ人の噂して ひめみや多美
逆縁の五月は哀し何もかも 岡山禮子


「稲」(主宰=山田真砂年まさとし【2021年1月創刊】
2026年7月号(通巻 35号)
子だくさんの家の干し物ミモザ咲く  飛田小馬々
春泥と化す抜け道を前のめり  中村晃也
数独も飽きて猫抱く菜種梅雨  山田ゆい子
蛇穴を出づれば女宰相に  関口敦子
天竜川の瀬音の中に初音かな  松山時子
雪割草古希過ぎてから家を買ふ  滝代文平
AIに花を教はり野に遊ぶ  東 晶


「いぶき」(共同代表=今井 豊・中岡 毅雄)
【2018年7月創刊・兵庫県明石市】
2026年33号(8月1日発行)
鳥帰る空にも水脈のある如し 今井豊
妻の言ふ吾の死のこと青葉風 中岡毅雄
ひらきかけたる蕾より蜂の尻 さざなみ葉
ふきのとうぐんぐんのびてもうたにん 菅谷英美
しろつめ草きゆつと束ねて君と会ふ 有村環
師のこゑを聴く子午線の春の海 岡崎弥保
ふらここの声翻りひるがへり 名本沙世


「伊吹嶺」(主宰=河原地英武)
【1998年1月創刊・愛知県名古屋市】
2026年8月号(通巻338号)
さざめける欅の青葉友逝けり 河原地英武
爪楊枝ほどの尺取手に這はす 栗田やすし
縫代のごとき海岸雁供養 矢野孝子
螺子山の潰れてゐたり多喜二の忌 加藤剛司
ポケットに皺くちやの札麦の風 野村和甚
あめんぼの影が影追ふ水の底 野津洋子
夏帽子ゑくぼ右にも左にも 江部幸夫


「円虹」(主宰=山田佳乃)
【1995年創刊・兵庫県神戸市】
380
船虫の触覚揺れてゐる暗さ  内藤花六
新緑の枝切り難き庭木かな  平野幸久
白牡丹重なり合うて色生れ  松田美智子
魚の斑忽と反転山女かな  西川とし子
岩の上背中合はせの山女釣  植坂和子
豆の飯炊く湯気もまた青々と  鳥居慶子
ページ繰るたびに喚声風五月  山下香澄


「海原」(代表=堀之内長一)
【2018年創刊・千葉県市川市】
2026年7・8月合併号(第80号)
蝶過ぎて羅漢の唇のひらきおり 河田清峰
天道虫旅人が住み始めたよ 小松敦
水にある舌に触れたと思う春 佐々木宏
春風に敬語もいつか解けてた 佐藤詠子
春日和そうれと赤子抱かされる 鳥井國臣
人体の奥の記憶である朧 松井麻容子
大陸のようなおなかへ春の月 室田洋子


「火星」(主宰=山尾玉藻)
【1936年創刊・大阪府大阪市】
2026年7月号(通巻1038号)
蟇半眼にして全知なる 山尾玉藻
永き日の気根に影のひとつづつ 大山文子
桃咲いて家の中まで火の匂 蘭定かず子
春風に凭るる鶏冠立派なる するきいつこ
野遊の人出となれる無人駅 山田美恵子
花の雨今日せせらぎのよそよそし 福盛孝明
海見て来し前照灯の春の泥 大内鉄幹


「樺の芽」(主宰=粥川青猿)
【1967年創刊・北海道帯広市】
第55巻第8号(通巻597号)
もつれ落つ風の階段夏の蝶   粥川青猿
桜来て地上の貌の定まりし   江波戸明
リラ冷えやマダムの耳朶のトルコ石 山田倫一郎
沼底を踏む夢ばかりあめんぼう 松尾一子
青嵐は何の怒りか苗揉まれ   徳地好子
病棟の杖に答える音も春    浜谷若葉
水中花音なく暮らす老夫婦   宮森桜将


「麒麟」(主宰=西村麒麟)
【2023年創刊・東京都江東区】
木に鳥に夏の近さや汐見坂 山本たくみ
落椿愛を誓ひしまま老いぬ 岩見軽石
割りたてを味見んんんと海胆売場 原水仙
花の歌舟を漕ぐにも休むにも 斉藤志歩
金蘭に銀蘭しかとその色に 西田公正
銀婚と気づかぬ夫や豆の花 保田空豆
桜狩あしたはもつとみちのくへ 清水縞午



「銀化」(主宰=中原道夫)
【1998年創刊・東京都港区】
2026年8月号(通巻335号)
知られずに恋せよ日傘傾けよ 飯島士朗
蛍死す昼の長さに耐へかねて 大嶋康弘
風鈴の足らざる物にリズム感 河内文雄 
白扇やはとバスを待つ南口 川村胡桃
昭和の日たぐり寄せたるお釣り籠 坂本晶子
拾得の箒わくらば掻き寄せる 篁李月
春惜しむどこへも行かぬ旅鞄 藤井和恵


「雲の峰」(主宰=朝妻力)
【1989年創刊・2001年結社化・大阪府茨木市】
2026年7月号(通算421号)
新緑や病の坂をひとつ越え  瀧下しげり
朝酒も朝湯も朝寝には如かず  松井 春雄
竹の秋手児奈の井戸の水暗し  吉沢ふう子
春陰の一人を拾ふ送迎車  宇利 和代
豆餅を食めば鴨川風薫る  林  雅彦
土蜘蛛の糸とぶつかる春の風  光本 弥観
捨て漬を終へて小昼の麦茶かな  本田  伝


「澤」(主宰=小澤實)【2000年創刊・東京都杉並区】
2026年7月号(通巻316号)
雪村が墓臘月の竹あをあをと 小澤實
束髪の祖母打つ小鼓や夏座敷 片岡昌子
男三人湯気に振る杵寒餠搗き 小川秀樹 
おじぎせる鹿に御辞儀や風薫る 村戸弥生
桜蘂降る区民プールの底あらは 星野れい子
揚雲雀むねのありたけ鳴きうたふ 兒玉猫只
歯間にアスパラガスの筋ぞエンドロールまで 中山あい


「秋麗」(主宰=藤田直子)
【2009年創刊・神奈川県川崎市】
2026年7月号(通巻190号)
くもりたる鏡に映り百合の蕊 藤田直子           
山を来て海に憩へる夏遍路 篠田たけし
土となるまでの日月竹落葉 後藤信雄
いつも母に半分くれし子鯉のぼり 朝田悦子
正客の作法を学び解く粽 古川恵子
裏の田へ行くにも潜り薔薇の門 安西佐和
柿若葉残り時間は我のもの 辻野尚女


青山せいざん」(主宰=しなだしん)
【1982年創刊・神奈川県横浜市】
2026年7月号(通号524号)
ぼうふらの簡素な仮名のごとく浮く   しなだしん
蜜柑の花に息を吸ふ息を吐く  井越芳子
思ひ出の木つ端微塵や滝の前  水谷由美子
囀やこの切株は我のもの   山本洋子
清明の明るさ山も田も畑も   東畑孝子
女ばかり揃うて土用鰻かな   入部美樹
一本のもみぢの芽吹き見て帰る   ローバック恵子


「台北俳句会」
【1970年創立・台北市】
2026年7月号
ゆくゆくは銀河を流れ行く身なり 増田信雄
モナリザも微笑を崩したき溽暑 田村龍太郎
蛍火や帰らぬ日々を照らしけり アリーマン・イスタダ
立ち泳ぎそれでも今日を生きていく 栃尾奏子
手術日の午後は裸足や若き医師 下岡友加
夏至過ぎて地を蹴る足の確かなる 木下真子


「鷹」(主宰=小川軽舟)
【1961年創刊・東京都千代田区】
2026年8月号
噴水のカルキ匂へる夜風かな 小川軽舟
春の水にはかに疾きところあり  本多伸也
柳鮠雨後の濁りをすいすいと  宮本素子  
暮れ残る山はひと色遠蛙  亀田紀代子 
輪郭を押し退け湧きぬ雲の峰  森田雪虚
ちんまりとテレビが点る夏至の家  日向野初枝   
十薬やならし出社の冷たき手  茂田野マイ子


たちばな」(主宰=佐怒賀直美)
【1978年創刊・埼玉県久喜市】
2026号8月号(通巻584号)
新緑を抜け出てポップコーン買ふ 吉田孝子
九十余年の山国ぐらし朴の花 大久保和生
菖蒲湯や雫とばして立ち上がる 横山泠子
箱括る紐短くて梅雨間近 棚橋眞由美
夏空と気の合うてゐる千枚田 持田義男
日輪に飲み込まれたる蝸牛 石川益江
母の名を山滴れば山に呼ぶ 澤野奈緒美


「田」(主宰=水田光雄)
【2003年創刊・千葉県市川市】
2026年8-9月号(通巻267号)
ジッポーをカチンと鳴らし昭和の日 清水余人
香水に一部始終のよみがへる 仲 栄司
教師の手明日は筍農夫の手 渡辺恵子
お遍路も花人となり杖を置く 松村敏子
塗りたての爪泳がせて若葉風 兼行美栄
少年のやうな風吹く麦の秋 瑜伽里枝
夜濯のシャツや静かに踊りをり おのめぐみ


「天穹」(主宰=屋内修一)
【1998年創刊・東京都渋谷区】
2026年8月号(通巻342号)
花蜜柑生涯おなじ海を見て 山口美智
日傘さす遊亀の「径」のやうにさす 鈴木優子
鉄紺の塊として夏の冨士 田中国太郎
看板の小さきビストロ薔薇の門 藤原基子
初鰹荒き潮目を縦縞に 花穂
若葉風無料講座の笑ひヨガ 島田道世
駅名に残る字の名麦の秋 石井九峰


「南風」(主宰=村上鞆彦)
【1933年創刊・東京都葛飾区】
2026年8月号(通巻993号)
なめくぢの角たてて這ふレタス剝ぐ 中島恵子
人影に従きくる鯉や椎の花 市原みお
ぼうたんを綺麗と思はねばならぬ 若林哲哉
躑躅急ぐ音楽を頭に流し 大熊光汰
ウクレレの洞昏く夏来たりけり 八田 吏
猪か鹿か緑雨の頭蓋骨 稲葉守大
冷房車に傘一本の冷えてある 五月ふみ



「noi」(代表=神野紗希・野口る理)
【2025年創刊】
2026年7月号(通巻15号)
夏よあなた尾根を歩けば神に似て   斎建大
詩もこゑも余花へ光つてゐるのだと   雑賀景
帰路一本違へて象と会ふ日永   石田裕美
松の花画集ずずずと函に挿し   岡雲平
初蝶の隣に止まりたくて蝶   後藤麻衣子
はなみもざいかりをこしてこしてあお   福田春乃
ただしく言えば蓑虫だけど、僕である   葉ざくら


「濃美」(主宰=渡辺純枝)
【2009年創刊・岐阜県岐阜市】
2026年8月号(通巻209号)
紫陽花の鞠の中にも深き闇 渡辺純枝
大学の裏の女子寮青田波 関谷恭子
柏餅ブリキのおもちや動き出す 中原けんじ
朧夜の絵皿に浮かぶ青海波 森川邦子
野焼する焔大きく棒長く 中島美奈子
目借時パソコンふんと笑ひをり 山田由美子
つちふるや沙漠の果てに象の墓 高尾たかを


「ふよう」(主宰=千々和恵美子)
【2005年創刊・福岡県遠賀郡】
2026年7月号(通巻137)
暑気払ふ肥後の馬刺しの三種盛  千々和恵美子
砂蟹の吹かるるごとく走りゆく   安倍真理子
ふんばつて水引き寄する水馬  吉田くす子
青芝や光る庁舎の百の窓  小森圭以子
一日をもて余したる青簾  森 和子
朝の音かそけき厨時鳥  齋藤禮子
日はをどり鳥はうたふや梅雨晴間  矢吹憲子


「街」(主宰=今井聖)
【1996年創刊・神奈川県横浜市】
NO.180
百畳の隅に正座のアロハシャツ 今井 聖
鎮静剤飲んで雲とも霞とも 大井正志
へぎ蕎麦の夏雲を呼ぶ波の形 穂阪幹子
初蝶の逃走経路西日暮里 安念俊彦
越してきし庭に土俵のありにけり 加藤右馬
珈琲ミルも干飯も背負ひ立山へ 田中 圭
剝がしては切る俎板の章魚の脚 蜂谷一人


「雪華」(主宰=橋本喜夫)
【1978年創刊・北海道旭川市】
2026年8月号
刈り終へし毛から離れぬ羊かな 野月朱美
あなたからの香水いまだ箱の中 三国眞澄
年輪の蜜吸ふ蟻が輪になりぬ 三谷なな子
隕石になり損ねたる蟇 星出航太郎
百葉箱夏の少女のやうに佇ち 中村みずほ
仮寝して散る気配する水中花 上田美千代
恒星に届かぬ高さ花卯木 阿部君江


【次回の投稿のご案内】
◆応募締切=2026年8月20日
*対象は「コンゲツノハイク」2026年8月分(このページ)です。
◆配信予定=2026年8月25日ごろ
◆投稿先 以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/fgen/S51058765/

【次回の投稿のご案内】
◆応募締切=2026年8月31日
*対象は原則として2026年8月中に発刊された俳句結社誌・同人誌です。刊行日が締切直後の場合は、ご相談ください
◆配信予定=2026年9月5日ごろ
◆投稿先 以下のフォームからご投稿ください。
https://ws.formzu.net/dist/S21988499/

関連記事