【夏の季語】鮓

【夏の季語=三夏(5-7月)】鮓


すしは「寿司」と書かれることが多く、江戸前の握りを指すことが多いが、もともと「なれずし」が中心の上方では「鮓」、握り鮨が中心の江戸では「鮨」が使われる傾向にあった。魚介類を保存のため塩蔵して自然発酵をさせる「なれずし」は、気温が高い夏によく発酵は進むため、「すし」が夏の季語となっている。秋田のハタハタずし、鯖の糠漬け(へしこ)を水洗いし、腹に米と麹を入れて発酵させる福井のなれずし、岐阜のアユのなれずし、かぶらとブリを使った石川のかぶらずし、大阪の小鯛の雀ずしなどが現在も郷土料理として親しまれている。「冷蔵庫」がなかった時代の発酵をつかった食の知恵である。「かぶらずし」は、「」が冬の季語であることから、冬の季語として立項されていることが多い。


【鮓(上五)】
鮒鮓のもてはやされてゐて減らず 伊藤宇太子
鮎鮓の馴れあふころを月暗く 長谷川櫂

【鮓(中七)】
吉野美し鮓桶の柄の手擦れにも  朝妻力

【鮓(下五)】
ふるさとや親すこやかに鮓の味 正岡子規

【その他】



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