【夏の季語】汗

【夏の季語(三夏)】汗

汗っかきの人は年中かくものですが、俳句では夏の季語です。


【汗(上五)】
汗臭き鈍の男の群に伍す 竹下しづの女
汗ぬぐふ捕手のマスクの汗見ずや 水原秋櫻子
汗の女体に岩手山塊殺到す 加藤楸邨
汗のをばさん汗のおぢさんと話す 島田牙城
汗の子を脱がす身ぐるみ剝がすごと 日下野由季

【汗(中七)】
昔より美人は汗をかかぬもの 今井千鶴子
今生の汗が消えゆくお母さん 古賀まり子
ひとすぢの流るる汗も言葉なり 鷹羽狩行
幸福だこんなに汗が出るなんて 雪我狂流   
関係ないだろお前つて汗だくでまとはりつく 小川軽舟
頭を垂れて汗の男ら堂に満つ 高山れおな
また一人看取の汗を拭いて来し 三島広志
ボクサーを汗の果実と思ふなり 松本てふこ
どちらかといへば汗かく人が好き 堀切克洋

【汗(下五)】
黙々と憩ひ黙々と汗し行く 相馬遷子
あきらかに母より落ちし汗の玉 宇佐美魚目
子のひたひ広げて玉の汗ぬぐふ 藤本夕衣

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