ハイクノミカタ篠崎央子
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赤き茸礼讃しては蹴る女 八木三日女【季語=茸(秋)】
赤き茸礼讃しては蹴る女八木三日女(『紅茸』)赤い茸は毒があるので触れてはいけないと教えられて育ったが、絵本に描かれる茸の多くはベニテングダケである。幼い頃読んだ「白雪姫」では、辿り着いた小人の家の屋…
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紅さして尾花の下の思ひ草 深谷雄大【季語=思ひ草(秋)】
紅さして尾花の下の思ひ草深谷雄大(『吉曜』)〈思ひ草〉とは…
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天女より人女がよけれ吾亦紅 森澄雄【季語=吾亦紅(秋)】
天女より人女(にんによ)がよけれ吾亦紅森澄雄(『所生』)日…
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誰かまた銀河に溺るる一悲鳴 河原枇杷男【季語=銀河(秋)】
誰かまた銀河に溺るる一悲鳴河原枇杷男(『蝶座』)銀河は、織…
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杜鵑草遠流は恋の咎として 谷中隆子【季語=杜鵑草(秋)】
杜鵑草遠流は恋の咎として谷中隆子(『くれなゐに』)恋の罪の…
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求婚の返事来る日をヨット馳す 池田幸利【季語=ヨット(夏)】
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愛情のレモンをしぼる砂糖水 瀧春一【季語=砂糖水(夏)】
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新婚のすべて未知数メロン切る 品川鈴子【季語=メロン(夏)】
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男欲し昼の蛍の掌に匂ふ 小坂順子【季語=蛍(夏)】
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梅漬けてあかき妻の手夜は愛す 能村登四郎【季語=梅漬ける(夏)】
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凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ 中村草田男【季語=凌霄(夏)】
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ダリヤ活け婚家の家風侵しゆく 鍵和田秞子【季語=ダリヤ(夏)】