ハイクノミカタ篠崎央子
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どこからが恋どこまでが冬の空 黛まどか【季語=冬の空(冬)】
どこからが恋どこまでが冬の空黛まどか(『くちづけ』) 〈輝く白い 恋の始まりは とてもはるか 遠く昔のこと〉と歌ったのは華原朋美(「I BELIEVE」作詞作曲:小室哲哉)である。恋の始まりは、いつ…
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寒木が枝打ち鳴らす犬の恋 西東三鬼【季語=寒木(冬)】
寒木が枝打ち鳴らす犬の恋西東三鬼(『変身』) 猫の恋は春の…
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ひめはじめ昔男に腰の物 加藤郁乎【季語=ひめ始(新年)】
ひめはじめ昔男に腰の物加藤郁乎(『江戸桜』)〈ひめはじめ〉…
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女に捨てられたうす雪の夜の街燈 尾崎放哉【季語=雪(冬)】
女に捨てられたうす雪の夜の街燈尾崎放哉(『尾崎放哉選句集』)…
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靴音を揃えて聖樹まで二人 なつはづき【季語=聖樹(冬)】
靴音を揃えて聖樹まで二人なつはづき(『ぴったりの箱』) ク…
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火事かしらあそこも地獄なのかしら 櫂未知子【季語=火事(冬)】
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新宿発は逃避行めき冬薔薇 新海あぐり【季語=冬薔薇(冬)】
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海鼠噛むことも別れも面倒な 遠山陽子【季語=海鼠(冬)】
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七十や釣瓶落しの離婚沙汰 文挾夫佐恵【季語=釣瓶落し(秋)】
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松葉屋の女房の円髷や酉の市 久保田万太郎【季語=酉の市(冬)】
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こほろぎや女の髪の闇あたたか 竹岡一郎【季語=蟋蟀(秋)】
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雀蛤となるべきちぎりもぎりかな 河東碧梧桐【季語=雀蛤となる(秋)】