ハイクノミカタ篠崎央子

  1. 赤き茸礼讃しては蹴る女 八木三日女【季語=茸(秋)】

    赤き茸礼讃しては蹴る女八木三日女(『紅茸』)赤い茸は毒があるので触れてはいけないと教えられて育ったが、絵本に描かれる茸の多くはベニテングダケである。幼い頃読んだ「白雪姫」では、辿り着いた小人の家の屋…

  2. 紅さして尾花の下の思ひ草 深谷雄大【季語=思ひ草(秋)】

    紅さして尾花の下の思ひ草深谷雄大(『吉曜』)〈思ひ草〉とは…

  3. 天女より人女がよけれ吾亦紅 森澄雄【季語=吾亦紅(秋)】

    天女より人女(にんによ)がよけれ吾亦紅森澄雄(『所生』)日…

  4. 誰かまた銀河に溺るる一悲鳴 河原枇杷男【季語=銀河(秋)】

    誰かまた銀河に溺るる一悲鳴河原枇杷男(『蝶座』)銀河は、織…

  5. 杜鵑草遠流は恋の咎として 谷中隆子【季語=杜鵑草(秋)】

    杜鵑草遠流は恋の咎として谷中隆子(『くれなゐに』)恋の罪の…

  6. 求婚の返事来る日をヨット馳す 池田幸利【季語=ヨット(夏)】

  7. 愛情のレモンをしぼる砂糖水 瀧春一【季語=砂糖水(夏)】

  8. 新婚のすべて未知数メロン切る 品川鈴子【季語=メロン(夏)】

  9. 男欲し昼の蛍の掌に匂ふ 小坂順子【季語=蛍(夏)】

  10. 梅漬けてあかき妻の手夜は愛す 能村登四郎【季語=梅漬ける(夏)】

  11. 凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ 中村草田男【季語=凌霄(夏)】

  12. ダリヤ活け婚家の家風侵しゆく 鍵和田秞子【季語=ダリヤ(夏)】

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