ハイクノミカタ篠崎央子
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さくら貝黙うつくしく恋しあふ 仙田洋子【季語=さくら貝(春)】
さくら貝黙うつくしく恋しあふ仙田洋子(『橋のあなたに』) 高校時代の友人の話である。彼女は、交際中の彼が無口で全く会話が続かないことに悩んでいた。友人は、人形が相手でも何時間も話し続けることのできる…
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椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池田澄子【季語=椿(春)】
椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ池田澄子(『ゆく船』) 椿…
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沈丁や夜でなければ逢へぬひと 五所平之助【季語=沈丁(春)】
沈丁や夜でなければ逢へぬひと五所平之助(『五所亭俳句集』)…
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薄氷の筥の中なる逢瀬かな 大木孝子【季語=薄氷(春)】
薄氷の筥(はこ)の中なる逢瀬かな大木孝子(『柞繭』) 梅の…
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東風吹かば吾をきちんと口説きみよ 如月真菜【季語=東風(春)】
東風吹かば吾をきちんと口説きみよ如月真菜(『菊子』) 「東…
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永き日や相触れし手は触れしまま 日野草城【季語=永き日(春)】
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鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 三橋鷹女【季語=鞦韆(春)】
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毒舌は健在バレンタインデー 古賀まり子【季語=バレンタインデー(春)】
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春の雪指の炎ゆるを誰に告げむ 河野多希女【季語=春の雪(春)】
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あひみての後を逆さのかいつぶり 柿本多映【季語=鳰(冬)】
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寒月下あにいもうとのやうに寝て 大木あまり【季語=寒月(冬)】
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どこからが恋どこまでが冬の空 黛まどか【季語=冬の空(冬)】