ハイクノミカタ篠崎央子
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水喧嘩恋のもつれも加はりて 相島虚吼【季語=水喧嘩(夏)】
水喧嘩恋のもつれも加はりて相島虚吼(『虚吼句集』) 田植えを終え、青田になる頃に起きる村同士の水喧嘩。流れてくる川の水を上流の田んぼが引きすぎてしまうと、下流の田んぼに水が回らない。旱梅雨の時には、…
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キャベツに刃花嫁衣裳は一度きり 山田径子【季語=キャベツ(夏)】
キャベツに刃花嫁衣裳は一度きり山田径子(『径』) 小学生の…
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さよならと梅雨の車窓に指で書く 長谷川素逝【季語=梅雨(夏)】
さよならと梅雨の車窓に指で書く長谷川素逝(『三十三才』『定本素逝集』)…
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夏帯にほのかな浮気心かな 吉屋信子【季語=夏帯(夏)】
夏帯にほのかな浮気心かな吉屋信子(『文人俳句歳時記』) 浮…
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虎の尾を一本持つて恋人来 小林貴子【季語=虎尾草(夏)】
虎の尾を一本持つて恋人来小林貴子(『北斗七星』) デートの…
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マグダラのマリア恋しや芥子の花 有馬朗人【季語=芥子の花(夏)】
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五十なほ待つ心あり髪洗ふ 大石悦子【季語=髪洗ふ(夏)】
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青い薔薇わたくし恋のペシミスト 高澤晶子【季語=薔薇(夏)】
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恋終りアスパラガスの青すぎる 神保千恵子【季語=アスパラガス(春)】
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春の雁うすうす果てし旅の恋 小林康治【季語=春の雁(春)】
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恋の神えやみの神や鎮花祭 松瀬青々【季語=鎮花祭(春)】
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妻が言へり杏咲き満ち恋したしと 草間時彦【季語=杏の花(春)】