ハイクノミカタ
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血を分けし者の寝息と梟と 遠藤由樹子【季語=梟(冬)】
血を分けし者の寝息と梟と)遠藤由樹子残念ながら、いまだ野生のフクロウを見たことも、鳴き声を聞いたこともない。野鳥観察をしているといっても、基本的に自転車で行ける範囲なので、せいぜい家から十数キロの平…
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流氷が繋ぐ北方領土かな 大槻独舟【季語=流氷(春)】
流氷が繋ぐ北方領土かな大槻独(どく)舟(しゅう)(「北海道俳句年鑑2022…
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消すまじき育つるまじき火は埋む 京極杞陽【季語=埋火(冬)】
消すまじき育つるまじき火は埋む京極杞陽(『但馬住』) 火種…
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霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び 加藤楸邨【季語=霜夜(冬)】
霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び加藤楸邨霜を踏んで来…
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冬ざれや父の時計を巻き戻し 井越芳子【季語=冬ざれ(冬)】
冬ざれや父の時計を巻き戻し)井越芳子 今期(2023年冬)…
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わが知れる阿鼻叫喚や震災忌 京極杞陽【季語=震災忌(秋)】
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よもに打薺もしどろもどろ哉 芭蕉【季語=薺打つ(新年)】
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笹鳴きに覚めて朝とも日暮れとも 中村苑子【季語=笹鳴(冬)】
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蝦夷に生まれ金木犀の香を知らず 青山酔鳴【季語=金木犀(秋)】
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兎の目よりもムンクの嫉妬の目 森田智子【季語=兎(冬)】
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龍の玉深く蔵すといふことを 高浜虚子【季語=龍の玉(新年)】
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皹といふいたさうな言葉かな 富安風生【季語=皹(冬)】