季語・歳時記

【春の季語】魚氷に上る

【春の季語=初春(2月)】魚氷に上る

七十二候のひとつで、「立春」の節の第三番目。新暦の二月十四日~十八日にあたる。

「うおひにのぼる」と読むが、長い季語なので「氷に上る魚」や「魚は氷に上り」など、わりと自由に使われることが多い。

暖かさで氷が割れ、氷下で泳いでいた魚が氷の上にあがるというような意味のことば。


【魚氷に上る(上五)】
氷に上る魚木に登る童かな 鷹羽狩行
魚の氷に上りぞくぞく星の数 山尾玉藻
魚は氷に上り土竜は桃色に 小島健
魚は氷に上るや恋の扉開く 青柳飛
魚は氷に上り光の渦まとふ 北光星

【魚氷に上る(中七)】
山陰や魚氷に上る風のいろ 原裕
妻癒えよ魚氷に上るきのふけふ 伊藤伊那男

【魚氷に上る(下五)】


【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【冬の季語】鼻水
  2. 【冬の季語】冬日和
  3. 【夏の季語】向日葵
  4. 【冬の季語】冬桜
  5. 【冬の季語】湯たんぽ(湯婆)
  6. 【秋の季語】鴨渡る
  7. 【冬の季語】雪兎
  8. 【冬の季語】小春日和

おすすめ記事

  1. 【秋の季語】コスモス
  2. 【春の季語】啓蟄
  3. 【短期連載】茶道と俳句 井上泰至【第6回】
  4. ともかくもくはへし煙草懐手 木下夕爾【季語=懐手(冬)】
  5. なきがらや秋風かよふ鼻の穴 飯田蛇笏【季語=秋風(秋)】
  6. 「野崎海芋のたべる歳時記」あんずのコンポート
  7. 又の名のゆうれい草と遊びけり 後藤夜半【季語=ゆうれい草(夏)】
  8. 卒業歌ぴたりと止みて後は風 岩田由美【季語=卒業歌(春)】
  9. 七十や釣瓶落しの離婚沙汰 文挾夫佐恵【季語=釣瓶落し(秋)】
  10. 梅の径用ありげなる人も行く 今井つる女【季語=梅 (春)】

Pickup記事

  1. 敷物のやうな犬ゐる海の家 岡田由季【季語=海の家(夏)】
  2. 中年や遠くみのれる夜の桃 西東三鬼【季語=桃(秋)】
  3. 【冬の季語】嚏(嚔)
  4. 捨て櫂や暑気たゞならぬ皐月空 飯田蛇笏【季語=皐月(夏)】
  5. 中年の恋のだんだら日覆かな 星野石雀【季語=日覆(夏)】
  6. 【冬の季語】蒲団(布団)
  7. 「野崎海芋のたべる歳時記」鰆のエスカルゴバター焼き
  8. 梅咲きぬ温泉は爪の伸び易き 梶井基次郎【季語=梅(春)】
  9. 秋の風互に人を怖れけり 永田青嵐【季語=秋の風(秋)】
  10. 人垣に春節の龍起ち上がる 小路紫峡【季語=春節(春)】
PAGE TOP