かな
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帰るかな現金を白桃にして 原ゆき【季語=白桃(秋)】
帰るかな現金を白桃にして)原 ゆき キャッシュレス社会なんだそうである。なんだそうであるなどと対岸を眺めるような悠長なポーズをとっているものの、テレビで喧しくペイペイと連呼しているのを聞いていないわ…
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向いてゐる方へは飛べぬばつたかな 抜井諒一【季語=飛蝗(秋)】
向いてゐる方へは飛べぬばつたかな)抜井諒一 なりたい自分の…
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なく声の大いなるかな汗疹の児 高浜虚子【季語=汗疹(夏)】
なく声の大いなるかな汗疹の児)高浜虚子 父は78歳でこの世…
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利根川のふるきみなとの蓮かな 水原秋櫻子【季語=蓮(夏)】
利根川のふるきみなとの蓮かな水原秋櫻子(『葛飾』)もともと…
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青大将この日男と女かな 鳴戸奈菜【季語=青大将(夏)】
青大将この日男と女かな鳴戸奈菜(『イヴ』) 青大将は、蝮と…
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はしりすぎとまりすぎたる蜥蜴かな 京極杞陽【季語=蜥蜴(夏)】
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襖しめて空蟬を吹きくらすかな 飯島晴子【季語=空蟬(夏)】
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まどごしに與へ去りたる螢かな 久保より江【季語=蛍(夏)】
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中年の恋のだんだら日覆かな 星野石雀【季語=日覆(夏)】
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露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな 攝津幸彦【季語=金魚(夏)】
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日蝕の鴉落ちこむ新樹かな 石田雨圃子【季語=新樹(夏)】
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甘き花呑みて緋鯉となりしかな 坊城俊樹【季語=緋鯉(夏)】