かな
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薄氷の筥の中なる逢瀬かな 大木孝子【季語=薄氷(春)】
薄氷の筥(はこ)の中なる逢瀬かな大木孝子(『柞繭』) 梅の咲く庭園の池が薄い氷で覆われているのを見たことがある。春の氷は気泡を含まないため透明で表面にはいくつもの風の筋が交差している。ひと目で壊れや…
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おそろしき一直線の彼方かな 畠山弘
おそろしき一直線の彼方かな)畠山弘現代俳句協会編 『昭和俳句作品年表 戦後…
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ばばばかと書かれし壁の干菜かな 高濱虚子【季語=干菜(冬)】
ばばばかと書かれし壁の干菜かな高濱虚子(『五百句』)虚子に…
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付喪神いま立ちかへる液雨かな 秦夕美【季語=液雨(冬)】
付喪神いま立ちかへる液雨かな秦夕美(『現代俳句文庫83 秦夕美句集』)…
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かなしきかな性病院の煙出 鈴木六林男
かなしきかな性病院の煙出鈴木六林男総武線で大久保を通過する…
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絵杉戸を転び止まりの手鞠かな 山崎楽堂【季語=手鞠(新年)】
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水底に届かぬ雪の白さかな 蜂谷一人【季語=雪(冬)】
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突として西洋にゆく暖炉かな 片岡奈王【季語=暖炉(冬)】
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茎石に煤をもれ来る霰かな 山本村家【季語=茎石(冬)】
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「野崎海芋のたべる歳時記」エゾシカのロースト
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一年の颯と過ぎたる障子かな 下坂速穂【季語=障子(冬)】
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秋櫻子の足あと【第11回】谷岡健彦