ゆく

知り合うて別れてゆける春の山　藤原暢子【季語＝春の山（春）】

• 2025.04.02

小鼓の血にそまり行く寒稽古　武原はん女【季語＝寒稽古（冬）】

• 2025.01.21

あきさめや肌つつみゆく旅衣　鈴木しづ子【季語＝秋雨（秋）】

• 2024.10.30

秋の蚊の志なく飛びゆけり　中西亮太【季語＝秋の蚊（秋）】

• 2024.09.28

身の奥の奥に蛍を詰めてゆく　平田修【季語＝蛍（夏）】

• 2024.09.08

空へゆく階段のなし稲の花　田中裕明【季語＝稲の花（秋）】

• 2024.08.27

東京や涙が蟻になってゆく　峠谷清広 【季語＝蟻（夏）】

• 2024.07.04

春惜しみつゝ蝶々におくれゆく   三宅清三郎【季語＝春惜む・蝶々（春）】

• 2024.04.24

寒卵良い学校へゆくために　岩田奎【季語＝寒卵（冬）】

• 2024.02.01

雪の速さで降りてゆくエレベーター　正木ゆう子【季語＝雪（冬）】

• 2023.11.23

露草を持つて銀行に入つてゆく　飯島晴子【季語＝露草（秋）】

• 2023.08.28

夕凪を櫂ゆくバター塗るごとく　堀本裕樹【季語＝夕凪（夏）】

• 2023.06.28

人とゆく野にうぐひすの貌強き　飯島晴子【季語＝鶯（春）】

• 2023.04.16

鳥の巣に鳥が入つてゆくところ　波多野爽波【季語＝鳥の巣（春）】　

• 2023.03.01

枯野ゆく最も遠き灯に魅かれ　鷹羽狩行【季語＝枯野（冬）】

• 2022.12.06

サフランもつて迅い太子についてゆく　飯島晴子【季語＝サフランの花（秋）】

• 2022.09.20

駅蕎麦の旨くなりゆく秋の風　大牧広【季語＝秋の風（秋）】

• 2022.09.15

さくらんぼ洗ひにゆきし灯がともり　千原草之【季語＝さくらんぼ（夏）】

• 2022.06.03

詩に瘦せて二月渚をゆくはわたし　三橋鷹女【季語＝二月（春）】

• 2022.02.20

早春や松のぼりゆくよその猫　藤田春梢女【季語＝早春（春）】

• 2022.02.04

しんしんと寒さがたのし歩みゆく　星野立子【季語＝寒さ（冬）】

• 2022.01.23

突として西洋にゆく暖炉かな　片岡奈王【季語＝暖炉（冬）】

• 2021.12.17

前をゆく私が野分へとむかふ　鴇田智哉【季語＝野分（秋）】

• 2021.08.18

ひと魂でゆく気散じや夏の原　葛飾北斎【季語＝夏の原（夏）】

• 2021.07.25

ダリヤ活け婚家の家風侵しゆく　鍵和田秞子【季語＝ダリヤ（夏）】

• 2021.07.05

青嵐神木もまた育ちゆく　遠藤由樹子【季語＝青嵐（夏）】

• 2021.06.22

郭公や何処までゆかば人に逢はむ　臼田亜浪【季語＝郭公（夏）】

• 2021.05.25

老人がフランス映画に消えてゆく 石部明

• 2021.05.23