昼顔のあれは途方に暮るる色 飯島晴子【季語=昼顔(夏)】 2020.07.24 ハイクノミカタ 堀切克洋(試験版) Post Share Hatena RSS Pin it 昼顔のあれは途方に暮るる色 飯島晴子 同じ句集(『儚々』)には、〈昼顔は誰も来ないでほしくて咲く〉があり、並べてみると、ひとつづきのドラマのようにも感じられる。炎天下で地や柵を這うように咲く昼顔は、たしかに「誰も来ないでほしい」感じもするのだが、その裏面では、どこか「途方に暮れている」ような感じもする。どちらの句も、人を遠ざけているインドア派の飯島晴子らしい句で、(古来から文芸に詠まれてきた)朝顔や夕顔にはない、昼顔の魅力を十分に描き出している。(堀切克洋) Post Share Hatena RSS Pin it