連載・よみもの

「野崎海芋のたべる歳時記」タルト・オ・ポンム


タルト・オ・ポンム

tarte aux pommes


りんごの季節ですね。

りんごのデザートはいろいろ作りますが、わが家でいちばんの定番はこのタルト・オ・ポンム。
ペースト状に煮たりんごを底に敷き込み、表面には薄切りのりんごを並べて、ブラウンシュガーをふりかけて焼いた、シンプルなタルトです。
小ぶりで皮の赤い、紅玉りんごが使いやすい。ほかにシナノスイートや、秋映などでも作ります。

同じりんごのタルトでも、地方によっては卵やクリームの生地を流し入れて焼くレシピもあり、それぞれタルト・ノルマンド(ノルマンディー風)、タルト・アルザシエンヌ(アルザス風)などと呼んで区別されます。

りんごは前史時代から世界で広く食用とされてきた果物。ギリシャやケルトの神話や、もちろん聖書にも登場しますね。

古代ローマではすでにデザートに欠かせないものとして、蒸したり焼いたりもされていたのだそう。

歴史が長いだけに、りんごを使ったレシピも各地さまざま、ヨーロッパ中にたくさんあるのでしょう。

 空は太初の青さ妻より林檎うく 中村草田男

季語【林檎】【紅玉】

*本記事は野崎海芋さんのInstagram( @kaiunozaki )より、ご本人の許可を得て、転載させていただいております。本家インスタもぜひご覧ください。


【執筆者プロフィール】
野崎 海芋(のざき・かいう)
フランス家庭料理教室を主宰。 「澤」俳句会同人、小澤實に師事。平成20年澤新人賞受賞。平成29年第一句集『浮上』上梓。俳人協会会員。



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 神保町に銀漢亭があったころ【第40回】青木亮人
  2. 【連載】新しい短歌をさがして【8】服部崇
  3. 神保町に銀漢亭があったころ【第89回】広渡詩乃
  4. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第31回】田園調布と安住敦
  5. 【書評】太田うさぎ『また明日』(左右社、2020年)
  6. 【クラファン目標達成記念!】神保町に銀漢亭があったころリターンズ…
  7. ゆる俳句ラジオ「鴨と尺蠖」【番外編】
  8. 【結社推薦句】コンゲツノハイク【2022年6月分】

おすすめ記事

  1. 「パリ子育て俳句さんぽ」【2月26日配信分】
  2. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2023年9月分】
  3. とび・からす息合わせ鳴く小六月 城取信平【季語=小六月(冬)】
  4. 【夏の季語】入梅
  5. 初旅の富士より伊吹たのもしき 西村和子【季語=初旅(新年)】
  6. 【冬の季語】室咲
  7. ときじくのいかづち鳴つて冷やかに 岸本尚毅【季語=冷やか(秋)】
  8. 秋海棠西瓜の色に咲にけり 松尾芭蕉【季語=秋海棠(秋)】
  9. 【冬の季語】鮟鱇
  10. 夏蝶の口くくくくと蜜に震ふ 堀本裕樹【季語=夏蝶(夏)】

Pickup記事

  1. 枯葉言ふ「最期とは軽いこの音さ」 林翔【季語=枯葉(冬)】
  2. 春風や闘志いだきて丘に立つ 高浜虚子【季語=春風(春)】
  3. 夢に夢見て蒲団の外に出す腕よ 桑原三郎【季語=蒲団(冬)】
  4. 「パリ子育て俳句さんぽ」【10月15日配信分】
  5. 冴返るまだ粗玉の詩句抱き 上田五千石【季語=冴返る(春)】
  6. 【冬の季語】寒
  7. 【春の季語】桜蘂降る
  8. わが腕は翼風花抱き受け 世古諏訪【季語=風花(冬)】
  9. 【読者参加型】コンゲツノハイクを読む【2022年12月分】
  10. あれは伊予こちらは備後春の風 武田物外【季語=春の風(春)】
PAGE TOP