季語・歳時記

【新年の季語】七日

新年の季語(1月)】七日

俳句で「七日」といえば、正月七日のことを指す。「なぬか」とも「なのか」とも。

一般的には1月7日までを「松の内」または「松七日」と呼ぶため、正月の終わりという位置付けもあるが、世間的にはすでに「仕事始」をしている日々になっている。学校は翌日から新学期になることが多い。

古来中国の伝統に沿って、七日は「人の日」または「人日」ともいわれ、「七草粥」を食べる風習がある。

旧暦の「正月七日」は、現在の二月ごろであるため「」も咲き始める時期であったが、現在の正月は「冬至」と「小寒」のあいだであり、寒い。


【七日(上五)】
七日はや煤によごれし軒雀 志摩芳次郎

【七日(中七)】
穂俵も七日事なき深みどり 竹原泉園
酒断つて七日の床をぬけいだす 石川桂郎

【七日(下五)】
今ここで死んでたまるか七日くる 山本有三
不機嫌に樫の突つ立つ七日かな 熊谷愛子
日のぬくみ欅にありて七日かな 永方裕子
山畑に火を放ちをる七日かな 大峯あきら


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【冬の季語】クリスマスカード
  2. 【冬の季語】毛糸玉
  3. 【新年の季語】注連の内
  4. 【夏の季語】玉虫
  5. 【冬の季語】おでん
  6. 【夏の季語】風鈴
  7. 【冬の季語】枯蓮
  8. 【冬の季語】冬蝶

おすすめ記事

  1. ものゝふの掟はしらず蜆汁 秦夕美【季語=蜆汁(春)】
  2. 【連載】久留島元のオバケハイク【第5回】夜長の怪談
  3. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第31回】田園調布と安住敦
  4. 底冷えを閉じ込めてある飴細工 仲田陽子【季語=底冷(冬)】
  5. 窓眩し土を知らざるヒヤシンス 神野紗希【季語=ヒヤシンス(春)】 
  6. 月代は月となり灯は窓となる   竹下しづの女【季語=月(秋)】
  7. 突として西洋にゆく暖炉かな 片岡奈王【季語=暖炉(冬)】
  8. 夢に夢見て蒲団の外に出す腕よ 桑原三郎【季語=蒲団(冬)】
  9. 「けふの難読俳句」【第6回】「後妻/前妻」
  10. 【冬の季語】縄跳

Pickup記事

  1. 銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋 閒石【季語=ヒヤシンス(春)】
  2. 【秋の季語】八月
  3. 趣味と写真と、ときどき俳句と【#07】「何となく」の読書、シャッター
  4. 起座し得て爽涼の風背を渡る 肥田埜勝美【季語=爽涼(秋)】
  5. 【短期連載】茶道と俳句 井上泰至【第9回】
  6. 【春の季語】春の夜
  7. よもに打薺もしどろもどろ哉 芭蕉【季語=薺打つ(新年)】
  8. 仲秋の金蠅にしてパッと散る 波多野爽波【季語=仲秋(秋)】
  9. 乾草は愚かに揺るる恋か狐か 中村苑子【季語=乾草(夏)】
  10. 【冬の季語】冴ゆ・冴え
PAGE TOP