
【夏の季語=晩夏(7月)】水無月
旧暦六月のこと。和菓子の名称としてもおなじみ。水無月の「無」は「ない」ではなく、連体助詞の「の」であり、水無月=「水の月」であるとする説が有力。季語としては「青水無月」と詠まれることもある。芭蕉の〈水無月や鯛はあれども塩鯨〉は、旬を迎える「鯛」よりも大衆的な「塩鯨」(鯨の皮下脂肪を塩漬けしたもの)のほうが好き、という句。
なお旧暦の月の呼称は、以下のとおり。
睦月 – 如月 – 弥生 – 卯月 – 皐月 – 水無月 – 文月 – 葉月 – 長月 – 神無月 – 霜月 – 師走
【水無月(上五)】
水無月の山吹の花にたとふべし 正岡子規
水無月の故国に入れば翠かな 日野草城
水無月に星も老ゆるや墓の上 秋元不死男
水無月の雀頭がちにこぼれくる 飴山實
水無月やあしたゆふべに足袋替へて 鈴木真砂女
水無月のはや巡り来し一周忌 稲畑汀子
水無月の賽の河原の迷子札 大木あまり
水無月の猫で手を拭く翁かな 攝津幸彦
水無月や微恙ながらに山歩き 田中裕明
【水無月(中七)】
境内を掃いて水無月祓ひ待つ 井上たか女
誕生日すぎし水無月ただ真青 井沢正江
【水無月(下五)】
水孜々と氷河を流る水無月は 澤田緑生
闇よりも暁くるさびしさ水無月は 野沢節子
【ほかの季語と】