
【夏の季語=初夏(5月)】卯月
旧暦四月のこと。十二支の4番目に「卯」がいることからとも、「空木(卯木)の花」が咲くころからとも。
なお旧暦の月の呼称は、以下のとおり。
睦月 – 如月 – 弥生 – 卯月 – 皐月 – 水無月 – 文月 – 葉月 – 長月 – 神無月 – 霜月 – 師走
【卯月(上五)】
卯月野のほとけの親にあひに来し 西島麦南
卯月野に笑つて沈む明日の陽 佐藤鬼房
卯月波父の老いざま見ておくぞ 藤田湘子
卯月野にうすき枕を並べけり 飯島晴子
卯月波白磁のごとく砕けたり 皆川盤水
【卯月(中七)】
水底は卯月明りや鴎の死 中村苑子
本阿彌光悦卯月は如何なもの着しや 藤田湘子
淡海にも立ちて卯月の波かしら 飴山實
片乳房卯月曇といふべしや 栗林千津
【卯月(下五)】
師をしたふこゝろに生くる卯月かな 飯田蛇笏
仏さま杖つき来ませ卯月の夜 村越化石
引くときの滅法愉し卯月波 辻桃子
潜戸のわづかな軋み卯月尽 徳田千鶴子
【ほかの季語と】
日はながし卯月の空もきのふけふ 千代尼