ハイクノミカタ橋本直
-
幻影の春泥に投げ出されし靴 星野立子【季語＝春泥（春）】
幻影の春泥に投げ出されし靴星野立子（『続立子句集第二』1947年 菁柿堂）いまから８０年前の１９４１年２月５日、例の新興俳句弾圧があり、秋元不死男、栗林一石路、嶋田青峰、橋本夢道ら多くの俳人が一斉に…
-
餅花のさきの折鶴ふと廻る 篠原梵【季語＝餅花（新年）】
餅花のさきの折鶴ふと廻る篠原梵（『年々去来の花』昭和49年丸ノ内出版）…
-
ふゆの春卵をのぞくひかりかな 夏目成美【季語＝冬の春（冬）】
ふゆの春卵をのぞくひかりかな夏目成美（『成美家集上』文政10年）…
-
オリヲンの真下春立つ雪の宿 前田普羅【季語＝春立つ（春）】
オリヲンの真下春立つ雪の宿前田普羅（『普羅句集』昭和５年 辛夷社）…
-
同じ事を二本のレール思はざる 阿部青鞋
同じ事を二本のレール思はざる阿部青鞋（「ひとるたま」1983年 現代俳句協…
-
死なさじと肩つかまるゝ氷の下 寺田京子【季語＝氷（冬）】
-
初場所や昔しこ名に寒玉子 百合山羽公【季語＝初場所（冬）】
-
土器に浸みゆく神酒や初詣 高浜年尾【季語＝初詣（新年）】
-
大年の夜に入る多摩の流れかな 飯田龍太【季語＝大年（冬）】
-
柊を幸多かれと飾りけり 夏目漱石【季語＝クリスマス（冬）】
-
杖上げて枯野の雲を縦に裂く 西東三鬼【季語＝枯野（冬）】
-
波冴ゆる流木立たん立たんとす 山口草堂【季語＝冴ゆ（冬）】
