飯島晴子
-
未草ひらく跫音淡々と 飯島晴子【季語=未草(夏)】
未草ひらく跫音淡々と)飯島晴子 真昼間の静けさの中にひらく未草、そしてその近くを通る跫音。それらはほぼ同じ高さで、地面、水面を介してゆるく繋がっている。「淡々と」からは、草を踏んでゆく音の実際の淡さ…
-
本州の最北端の氷旗 飯島晴子【季語=氷旗(夏)】
本州の最北端の氷旗)飯島晴子 晴子逝去前年、長女と下北半島…
-
細長き泉に着きぬ父と子と 飯島晴子【季語=泉(夏)】
細長き泉に着きぬ父と子と)飯島晴子 鬱蒼とした山道を歩く間…
-
この人のうしろおびただしき螢 飯島晴子【季語=蛍(夏)】
この人のうしろおびただしき螢)飯島晴子 こう言いながらも、…
-
軽き咳して夏葱の刻を過ぐ 飯島晴子【季語=夏葱(夏)】
軽き咳して夏葱の刻を過ぐ)飯島晴子 一読、ごほんごほんと咳…
-
螢とび疑ひぶかき親の箸 飯島晴子【季語=螢(夏)】
-
黒揚羽に当てられてゐる軀かな 飯島晴子【季語=黒揚羽(夏)】
-
叩頭すあやめあざやかなる方へ 飯島晴子【季語=あやめ(夏)】
-
家毀し瀧曼荼羅を下げておく 飯島晴子【季語=滝(夏)】
-
卯月野にうすき枕を並べけり 飯島晴子【季語=卯月(夏)】
-
筍にくらき畳の敷かれあり 飯島晴子【季語=筍(夏)】
-
口中のくらきおもひの更衣 飯島晴子【季語=更衣(夏)】