ハイクノミカタ小山玄紀
-
秋山に箸光らして人を追ふ 飯島晴子【季語=秋山(秋)】
秋山に箸光らして人を追ふ)飯島晴子 以前紹介した「親の箸」の句もそうだが、晴子の句からは、箸が人間と自然のちょうど間にあるような印象を受ける。もわもわと量感豊かな紅葉の中で、細くくっきりと箸のうごき…
-
ここは敢て追はざる野菊皓かりき 飯島晴子【季語=野菊(秋)】
ここは敢て追はざる野菊皓かりき)飯島晴子 「追はざる」が野…
-
なにはともあれの末枯眺めをり 飯島晴子【季語=末枯(秋)】
なにはともあれの末枯眺めをり)飯島晴子 葉の先の方が枯れ細…
-
肉声をこしらへてゐる秋の隕石 飯島晴子【季語=秋(秋)】
肉声をこしらへてゐる秋の隕石)飯島晴子肉声をこしらえながら…
-
けふあすは誰も死なない真葛原 飯島晴子【季語=葛の花(秋)】
けふあすは誰も死なない真葛原)飯島晴子 では明後日は誰かが…
-
婿は見えたり見えなかつたり桔梗畑 飯島晴子【季語=桔梗(秋)】
-
白萩を押してゆく身のぬくさかな 飯島晴子【季語=白萩(秋)】
-
露草を持つて銀行に入つてゆく 飯島晴子【季語=露草(秋)】
-
怒濤聞くかたはら秋の蠅叩 飯島晴子【季語=秋(秋)】
-
葛の花こぼれやすくて親匿され 飯島晴子【季語=葛の花(秋)】
-
瀧見人子を先だてて来りけり 飯島晴子【季語=滝見(夏)】
-
未草ひらく跫音淡々と 飯島晴子【季語=未草(夏)】